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2022年9月22日(木)

円独り負け 25%安

低下する日本人の対外購買力

グラフ 表

 あれよあれよという間に円安が進み、外国為替市場で1ドル=140円台が続いています。年初と比べると約25%もの円安水準です。わずか8カ月の間に円の価値が対ドルで4分の1も切り下がり、日本人の対外購買力が4分の3に低下したことを意味します。主要国通貨の中で円は突出して安くなり、独り負けの様相を呈しています。(グラフ、表参照)

 米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が大幅利上げを続けているため、長期金利の指標となる米10年物国債利回りが急上昇し、金利の高いドルを買う動きが世界に広がりました。日銀の黒田東彦総裁は「今の円安というのは実はドルの独歩高です」(7月21日の記者会見)と弁明しています。

 しかし、年初と比べ、ユーロは対ドルで13%程度の下落にとどまっています。通貨危機再来への懸念が高まっていると報じられている韓国ウォンでさえも、17%程度の下落です。25%も下落した円はユーロやウォンに対しても大幅に安くなっているのが現実です。

 各国・地域の中央銀行が物価抑制のために金融引き締めに転じる中、金融緩和に固執する日銀の政策が円売りを招いています。円安は輸入物価の高騰に拍車をかけ、輸入代金の増大が円売りドル買い圧力となって円安に拍車をかけるという悪循環に陥っています。

 8月に、輸入物価指数(円ベース)は前年同月比42・5%上昇し、貿易収支は2兆8173億円の歴史的赤字を記録しました。輸入物価の高騰は国内に波及し、8月の消費者物価指数は2・8%上昇しました。消費税増税の影響を除くと30年11カ月ぶりの歴史的な上昇幅です。

 アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)の大失敗が日本人の対外購買力を低下させ、国民生活を苦境に陥れています。


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