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2022年9月22日(木)

きょうの潮流

 「帝国の王冠にきらめく宝石」。かつてインドはそう称されました。貿易がもたらすばく大な富、ぼう大な人的資源は大英帝国の力の最大の源泉でした▼1911年、ときの国王ジョージ5世はメアリー妃とデリーを訪れ豪華な戴冠式を開催。5万の軍隊と宝石で飾られたゾウの一団が祝うなか、インドの皇帝として即位したことを宣言しました▼アジア、オセアニア、中東、アフリカ、北米大陸。最盛期には地球の陸地の4分の1、世界人口の6分の1を治めていたという史上最大の帝国。統治下の地域や人びとはイギリス国王への忠誠を求められ、王室は帝国支配の象徴となってきました▼第2次大戦後に次々と独立を果たしますが、搾取や抑圧に苦しめられた影響は今も続いています。エリザベス女王の死去に伴い、旧植民地の人たちから反発の声が上がっていると本紙国際面が伝えていますが、さもありなん。インドでは、英王室の王冠に飾られたダイヤの返還を求める署名運動も▼支配する側とされる側では歴史の見方や評価も変わるはず。「世界中から愛された」などと持ち上げるメディアのなんと偏った報道か。女王賛美のなか、日本では国民多数が反対している安倍元首相の国葬が強行されようとしています▼いったい誰のため、なんのための国葬か。政治を汚し、統一協会の広告塔になった人物に弔意や敬意まで強制する。岸田政権や自民党のための葬儀に国民を動員する。一方的な押しつけは、歴史に汚点を残すことになります。


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