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2022年9月19日(月)

弔意強制に英国で反発

 エリザベス女王の国葬を19日に控えた英国では、同日を休日にしたことに伴う影響や、いきすぎた自粛や弔意の強制に反発が出ています。

 女王の死去(8日)を受け、英フットボール協会(FA)は10、11の両日の試合を中止しました。プレミアリーグからアマチュアまでほとんどの試合が中止になりました。

 イングランド中部シェフィールドでは、10日に予定されていた試合を親善試合に切り替えて行ったアマチュアの2チームに対し、地元の協会が「不敬」だとして、「最も厳しい処分」を行うと発表しました。

 クリケットやラグビー、競馬が通常通り行われたこともあり、FAの決定には多くの批判が出ました。

 1878年設立の歴史あるサイクリング協会(会員7万人)は13日、同団体の名誉職に就いていた女王に弔意を表すため、国葬当日はサイクリング行事を取りやめるよう加盟クラブに求めました。しかし一部の会員が強く反発する中で、協会は16日、SNSで「私たちが間違っていた」と方針を撤回し、謝罪しました。

 国内6カ所でリゾート施設を持つ「センター・パークス」は、国葬当日、利用者は午前10時までに退去し、当日到着予定の客には翌日から利用するよう求めました。

 一方的な発表は、利用者から憤慨を呼びました。14日になって、国葬当日の引き続く宿泊を認めると方針を転換。しかしレストランやプールは閉鎖し、宿泊客はロッジにとどまるよう求めました。「牢獄」だとの反発の声があり、その後、散歩はしてもよいと表明するなど、迷走を続けています。

 労働党のクライブ・ルイス下院議員は、ガーディアン紙(電子版)14日付で、王政に反対してデモをした人たちが逮捕され、国主導で異論を否定する動きがでていることについて「この代替わりが同意ではなく、強制だということを暴露した」と批判しました。(伊藤寿庸)


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