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2022年9月18日(日)

きょうの潮流

 4歳の男児に暴行を加えて死亡させた。2歳の女児の両足をつかんで逆さづりにし、重傷を負わせた。そんな報道が相次いでいます。幼い子どもたちが犠牲になる虐待がなぜ続くのか。そんな思いが募ります▼厚生労働省が最近発表したところによると2021年度に児童相談所が対応した虐待の件数は20万7659件。前年度より約2600件も増えました。集計開始以来、31年連続で最多を更新し続けています▼子どもの人権を尊重する環境をつくること、児童相談所などの人員を増やして相談・防止の体制を整えることに予算をかけてほしい。虐待防止にAI(人工知能)を活用する動きも進んでいます。新しい技術を上手に生かすことは大切ですが、人間の判断をないがしろにはできません。データ管理にも不安があります▼児童虐待の根絶のため何よりも虐待を生み出さない社会にすることが求められています。貧困の拡大や激しい競争社会が招く心の不安は、おとなたちを追い詰めています。それが子どもたちへの攻撃的な視線につながっているのではないでしょうか▼児童虐待の約6割を占めるのが、直接の暴力を伴わない「心理的虐待」です。その一つが「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」。母親に対し夫や交際相手が暴力を振るい、子どもがおびえながら見ているなどの事例です▼それを考えると虐待の背景にジェンダーの問題が見えてきます。児童虐待を減らすためにも女性の置かれている状況を変えることは急務です。


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