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2022年9月17日(土)

救急搬送注意義務怠る

入管 カメルーン人死亡

国に165万円賠償命令

死亡因果関係は認めず 水戸地裁

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(写真)判決を受けて会見する弁護団=16日、水戸市

 法務省入国管理局(現出入国在留管理庁)東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容中に死亡したアフリカ、カメルーン出身の男性=当時(43)=の母親が、職員の注意義務違反を理由に国に1000万円の賠償を求めていた訴訟の判決が16日、水戸地裁でありました。阿部雅彦裁判長は入管職員が男性を救急搬送する注意義務を怠ったとして国に165万円の支払いを命じました。一方で、死亡との因果関係は認めませんでした。

 児玉晃一弁護団長は、裁判所が死亡の責任を認めなかったのは、弁護団が因果関係を証明できていないという判断だと説明。「国に責任がないことを国が立証して初めて責任を逃れられるはず。国のせいで死んだ人は、『死因不明』とすればおとがめなしになる」と批判しました。救急搬送義務が認められたことについては「画期的だ」と評価しました。控訴するかは未定です。

 判決文などによると、男性は2013年10月5日に来日したものの、上陸を拒否され収容。11月6日に牛久市の収容施設に移送され、14年3月30日に死亡しました。男性には来日前から糖尿病があり、2月から胃痛や運動後のめまい、同27日には強い胸痛、3月15日には両足の痛みを訴え、20日には「気分が悪くて立てない」と訴えました。

 29日には「死にそうだ」と叫び、ベッドから落下。30日未明にはほとんど動かなくなりました。続く午前7時2分、職員が心肺停止状態の男性を見つけて救急搬送しましたが、8時7分に病院で死亡が確認されました。

 裁判で原告側は、男性が体を動かせなくなり始めた29日午後8時35分より前に治療できるよう救急搬送すれば救命の可能性があったと主張し、国は救急搬送する義務はなく、搬送しても救命できたかわからないと反論していました。


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