2022年9月15日(木)
長引くコロナ・紛争・気候変動
困難解決へ結束を
国連総会開幕 議長呼びかけ
【ワシントン=石黒みずほ】第77回国連総会が13日、ニューヨークの国連本部で始まりました。議長を務めるチャバ・コロシ氏(ハンガリー元国連大使)は、長引く新型コロナの感染拡大や紛争により世界がさまざまな困難に直面する中、「持続可能で科学に基づく解決策を結束して実現しよう」と呼びかけました。
コロシ氏は、ロシアのウクライナ侵略が全ての国にとって転機となっているとし、「国際社会が絶えず警戒しなければ、世界で頻繁に戦争が起きる事態になる」と指摘。ウクライナでの戦争を終わらせて新たな紛争を起こさないため、「国連憲章の価値観や原則を支持し守らなければならない」と訴えました。
気候変動で記録的な気温上昇や森林火災、洪水が各地で相次いでいると述べ、より壊滅的な被害をもたらす核兵器使用のリスクが高まっていると指摘。持続可能な開発目標(SDGs)など進むべき方向は示されているとし、「国連総会はその約束を果たす特別な責任がある」と強調しました。
グテレス国連事務総長は、「加盟国は国際協力になくてはならない存在であり、今後多国間組織の強みや耐久力が試される」と述べました。
今年は3年ぶりの対面方式での開催です。20日から一般討論が行われ、ウクライナ侵略についてや、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に向け、各国がどのような立場を示すのか注目されます。
今年は「民族的または種族的、宗教的及び言語的少数者に属する者の権利に関する宣言」の採択から30年にあたり、21日に採択を記念するハイレベル会合が予定。26日には「核兵器全面禁止国際デー」を記念するハイレベル会合が開かれます。








