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2022年9月14日(水)

きょうの潮流

 著名な俳優、プロスポーツ選手、学生、はては与党の国会議員まで。連日のように伝えられるセクハラや性暴力。社会的な地位や名声、男性優位の世界にどっぷりとつかった者たちの卑劣な行為が後を絶ちません▼場所や時間を問わず性被害の危険に日々さらされている女性たち。一方が安心して生きられるよう声をあげ続けているのに、もう一方の性が安穏として日常をすごしている現実もあります。男女平等は建前だけで差別や偏見はまだ社会のいたるところに▼女性であることを理由に入試で不利に扱った東京医科大に対する判決がありました。東京地裁の裁判長は「性別による差別を禁じた教育基本法と憲法の趣旨に反する」ことは認めたものの、原告からは女性差別の違法性を正面から問題にした判決ではなく、20万円の慰謝料にも不当との声があがりました▼大学医学部の一連の不正入試には「女性医師が求められないような現場の労働環境」が背景にあります。長時間、過重労働で男性中心の職場になっていることが「属性調整」につながってきました▼女性というだけで医師への道を閉ざされ、人生をゆがめられる。判決に不満を示した元受験生は「入試だけではなく、世間一般で女性を差別することが許されるのか」と問いかけました▼角田由紀子弁護団長は「私たちはあらがい続ける。黙っていない、力を合わせてやっていく」と。この社会の土壌を変えるまで。それは、“特権”に甘んじてきた男性にも突きつけられています。


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