2022年9月14日(水)
5千万人が「現代奴隷」
強制労働や強制結婚 国際団体報告
2021年に、世界で5000万人に上る人たちが、強制労働と強制結婚という「現代奴隷」の状態となっていることが12日、国際労働機関(ILO)と国際人権団体ウオーク・フリー、国際移住機関(IOM)が公表した報告書の推計で分かりました。
それによると、2800万人が強制労働に従事させられ、そのうち女性・少女は1200万人、商業的性搾取を強要される人は630万人です。国家による強制労働も全体の14%に上りました。
強制結婚を課せられた人は2200万人で、7割近くが女性・少女です。人口比ではアラブ諸国で最も高く、1000人中4・8人に上りました。
報告書は、新型コロナウイルスの感染拡大が労働者を取り巻く状況を悪化させ、気候変動や武力紛争の影響も相まって「これまでにない雇用・教育の混乱、極度の貧困の増加」をもたらしたと指摘しました。
強制労働を撲滅するため、▽労働者の団結権、団体交渉権を尊重する▽労働者に基本的な所得保障を行うなど社会的保護を拡大する―ことなどを提起。強制結婚に対しては、▽法律や政策にジェンダーの視点を盛り込む▽結婚の法定年齢を18歳からに引き上げる―ことなどを呼び掛けました。








