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2022年9月13日(火)

主張

デニー氏の圧勝

辺野古ノーは1ミリもぶれない

 沖縄県知事選が11日投開票され、現職で辺野古新基地阻止を掲げる「オール沖縄」の玉城デニー氏が、岸田文雄・自公政権が全面支援し新基地建設の加速を主張する佐喜真淳・前宜野湾市長らを大差で破り、再選を果たしました。2014年の前々回と18年の前回知事選、19年の県民投票に続き自公政権に「新基地ノー」の民意を突き付け、「県民の思いが1ミリもぶれていない結果」(デニー氏)を明確に示しました。歴史的な勝利です。

あらゆる手だてで阻止

 18年に初当選したデニー氏は、保守・革新の垣根をこえた「オール沖縄」の代表として14年に知事となり在任中に急逝した翁長雄志前知事の遺志を受け継ぎました。

 自公政権はデニー氏当選の約2カ月半後、新基地建設予定地の埋め立て海域(大浦湾側)で軟弱地盤が見つかり完成のめども立たないのに、別の海域(辺野古側)で埋め立て土砂の投入を強行し既成事実化を図ろうとしてきました。20年には大浦湾側での埋め立てのため軟弱地盤の改良工事に必要な設計変更の承認申請を県に提出しました。これに対しデニー知事は21年、申請を不承認にしました。

 今回の知事選でデニー氏は、投入された土砂は全体の埋め立てに必要な量の10%あまりにすぎず、新基地が造られてしまうとあきらめる必要はないとして、設計変更の不承認やそれをめぐる訴訟などあらゆる手だてを講じて新基地建設を止めると訴えてきました。

 設計変更が承認されない限り埋め立ては不可能です。しかも、防衛省は仮に設計変更が承認され新基地が完成したとしても米軍の運用が可能になるまでには約12年かかると試算しています。選挙期間中には、岸田政権が年末に予定する安保関連3文書改定の作業の中で、政権に近い有識者から「普天間基地の移転のように膨大な資金と長い年月のかかることに力を入れることには疑問」との意見が上がっていたことも分かりました。

 一方、前回知事選にも立候補しその際は辺野古新基地への態度を一切語らなかった佐喜真氏は今回、自公政権言いなりに「容認」を明言しました。そればかりか、「埋め立て工期短縮」や普天間基地の「2030年までの返還」を公約し、新基地建設を加速させる立場を公然と明らかにしました。統一協会との密接な関係も判明し、知事になる資格が問われました。

 辺野古新基地の是非が真正面から問われた選挙で、デニー氏は、佐喜真氏に約6万5千票の大差をつける約34万票を獲得し圧勝しました。「新基地ノー」の県民の意思は一層明瞭になりました。

 デニー氏が経済の再生や子どもの貧困対策などを重視し、「誰一人取り残さない沖縄をつくる」と訴えたことも共感を広げました。

普天間は閉鎖・撤去こそ

 松野博一官房長官は12日の記者会見で「辺野古移設が唯一の解決策」であり、「普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、その危険性を除去することにつながる」と繰り返しました。しかし、辺野古新基地計画は、民意の点でも、技術的な実現可能性の点でも破綻しており、普天間基地の危険性がそのまま放置されることになるのは誰の目にも明らかです。

 「唯一の解決策」は、辺野古新基地断念、普天間基地の即時閉鎖・撤去しかありません。


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