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2022年9月8日(木)

きょうの潮流

 自衛隊が最初に女性を採用したのは保安庁時代の1952年で、看護師資格が条件でした。その後、1967年に陸上自衛隊から一般職での採用が始まります▼今では約1万8千人の女性が自衛官として働いていますが、全体の1割にも満たず、圧倒的な男性優位の職場であることに変わりはありません。防衛省職員が最近著した女性自衛官のキャリア本でも、女性に対する「特別な視線」は現在でもあると認めています▼ゆがんだ組織の実態が明らかにされました。年上の男性隊員に太ももを触られた、女性隊員のレントゲン写真をみんなで眺める、宴会で先輩から野球拳に参加しろといわれて服を脱がされ、拒むとほおをたたかれた…▼陸上自衛隊で性被害をうけた五ノ井里奈さんがインターネットで呼びかけ、現役隊員をはじめ146人から回答があったセクハラやパワハラの証言。それはいじめや自殺も後を絶たない組織の闇の深さを▼防衛省はハラスメントの実態を調べるため、全自衛隊を対象とした特別防衛監察の実施を決めました。5年前の南スーダンPKO日報隠蔽(いんぺい)以来で、五ノ井さんが第三者委による公正な調査を求める署名10万5千人分を提出したことを受けての措置です▼実名で顔を出しての訴えはどれほど不安だったか。性暴力とたたかった伊藤詩織さんも精神的に痛めつけられ、攻撃されることのくり返しだったと話しています。それでも彼女たちの勇気ある行動と支援する人びとの力が、組織を、社会を動かしています。


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