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2022年9月7日(水)

楽天に賠償求め提訴

突然契約打ち切り ドライバー引き抜き

下請けの運送会社

「物流業界 変えたい」

 インターネット通販大手の楽天グループと運送業務委託契約を結んでいた埼玉県川口市の運送会社「トランプ」が5日、契約で定められた予告期間を経ずに委託契約を突然打ち切られ、売り上げを失ったなどとして、同社などを相手取り約5億6000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴しました。(小村優)


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(写真)楽天に損害賠償を求め提訴したトランプ社の矢作和徳社長

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(写真)楽天本社があるクリムゾンハウス=東京都世田谷区

 楽天は2021年5月に自社配送事業「楽天エクスプレス」を終了。これに伴いトランプ社は委託契約を解除されました。

 訴状によると、解除を通告されたのは約2週間前。3カ月前までの告知がなければ自動的に6カ月更新されるとしていた契約に違反するとしています。この結果、同社は複数の営業所で営業できなくなり損害が発生したとして、賠償を求めています。

 またトランプ社は、東京の物流会社が楽天エクスプレス事業を統括していた当時の担当役員らと結託し、不当にドライバーらを引き抜いたなどと主張。楽天との共同不法行為があるとして損害賠償を求めています。

 トランプ社は昨年10月ごろから損害賠償を求め楽天側と交渉を続けてきたものの不調に終わり提訴に至りました。

 トランプ社の矢作和徳社長は、「提訴をきっかけに不正が横行する物流業界を変えたい。ドライバーが声をあげられるよう力になりたい」と話しています。

 楽天エクスプレスは通販サイト「楽天市場」などで販売する商品の一部を配送する事業です。2016年に始まり、昨年5月に事業を終了しました。

 楽天は事業終了から2カ月後の7月、資本業務提携を結んだ日本郵便と合弁会社を設立。宅配シェア3番手の日本郵便に配送を丸投げする形で「自社配送」から事実上撤退しています。

 楽天は取材に対し「訴状が届いておらず、回答を控える」と説明。東京の物流会社は「コメントは差し控える」としています。


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