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2022年9月7日(水)

沖縄県知事選最終盤

デニー県政 広がる共感

最後の奮闘 勝敗分ける

自公 組織を総動員

 沖縄と日本の未来を大きく左右する沖縄県知事選(11日投票)は最終盤に突入しました。「オール沖縄」の玉城デニー県政への共感・支持が大きく広がる一方、自公政権丸抱えの佐喜真淳陣営は組織力をフル稼働して急速に追い上げています。「一瞬の油断もできない」と訴えるデニー知事。最後の最後までの奮闘が勝敗を分けます。

自民・公明支持層にも

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(写真)街頭で訴えるデニー知事=6日、沖縄県北谷町

 「誰一人取り残さない優しい社会」―。中学卒業までの医療費窓口無料化や低所得世帯の中高生のバス・モノレール無料化、子どもの貧困対策基金の30億円から60億円の積み増しなど、291項目中287の公約を実現したことで、県民の支持が大きく広がっています。地元紙「琉球新報」の5日付世論調査では県政を「評価する」が59%で、「評価しない」35%を大きく上回りました。

 自民党は一貫して「県政不況」「県民のために何もしていない」などと事実無根の攻撃をしてきましたが、選挙戦を通じてデニー県政の実績が県民に広く認識されるようになっています。こうした中、自民・公明支持層にも「デニー支持」が広がりつつあります。

 また、「辺野古に新基地を絶対に造らせない」との公約を4年間貫き、新基地建設は「不可能」としてきたデニー県政の訴えが、日米両政府を少しずつ動かし始めています。米議会調査局は辺野古の軟弱地盤や活断層の存在をあげ、「物理的に不可能」とした報告書を何度も公表。加えて、国家安全保障戦略などの改定に関する政府と有識者との意見交換の議事概要(1日公表)に、費用対効果の観点から辺野古新基地を「疑問」とする意見が記され、波紋を広げています。

 さらに、統一協会と佐喜真氏との「ズブズブの関係」が次々と暴露されています。日本共産党の支部・後援会による対話・支持拡大でも、有権者から霊感商法による被害が相次いで出され、佐喜真氏や自民党への怒りが広がっています。

自公 県政奪還へ執念

 各メディアの5日付情勢調査でいっせいに「玉城氏先行」と報じられたのは、そうしたデニー県政への信頼の広がりの反映です。同時に、自公陣営は最後の1週間で「必ず勝てる」と気勢をあげています。

 5日、沖縄市内での佐喜真陣営決起集会。ステージには4日に告示した沖縄市議選の、桑江朝千夫自公市政の与党候補22人が勢ぞろい。桑江氏は「22人がしっかり精進して佐喜真淳を、そして自分自身をとたたかえば、確実に勝てる選挙だ」と檄(げき)をとばし、大量立候補した地方選の候補が、同日投票の知事選とセットでたたかうことで、運動量を上げる戦略を強調しました。

 また、決起集会に参加した公明党議員も「残る6日間、死にもの狂いでたたかう」と絶叫しました。

 「先行」と報じた各メディア調査はいずれも、大型の台風11号で動きがとまっていた3、4日を中心に実施されたものです。市議選の期日前投票が始まった5日以降、情勢が激変する危険もあります。実際、市長選と「トリプル選挙」になっている宜野湾市の期日前投票所では、5日夕方以降、50代以下とみられる有権者が目立ちました。佐喜真陣営による企業動員とみられます。

 6日には自民党の森山裕選対委員長が沖縄入りし、那覇市内の佐喜真選対事務所を激励。記者団に対し、「知事選は実質、今日が始まりだ。地方議員選がすべて告示され、後半戦としてしっかりたたかえる」と述べ、地方選との「セット戦術」を強調しました。

 名護市辺野古の米軍新基地建設は対米公約であり、自公政権は辺野古推進の県政奪還へ執念を見せています。

那覇 県議補選は大激戦

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(写真)訴える上原カイザ県議候補(左から2人目)と、(その後ろ左から)城間幹子那覇市長、玉城デニー知事、翁長雄治同市長予定候補=2日、那覇市

 最終盤、デニー・佐喜真両陣営ともに26万人の有権者を抱える県都・那覇で重点的に活動する構えです。

 各メディアの調査では無党派層でデニー知事への支持が高く、その無党派層が多い那覇市内で支持が広がっています。一方、佐喜真陣営も那覇市内での宣伝カーの稼働を大幅に増やし、最終盤に大規模な集会を計画するなど、急速に追い上げています。

 県議選那覇市・南部離島区では2日、10月の那覇市長選出馬のため「オール沖縄」の翁長雄治氏が辞職したのに伴い、補選が告示されました(定数1)。こちらも知事選と同日投票です。現在、県議会では議長を除いて与野党が23対23と同数です。このため、この1議席がデニー県政2期目にとって死活的に重要です。「オール沖縄」上原カイザ候補が猛奮闘していますが、現状は立候補している4氏のうち、カイザ氏や自民党候補など有力3氏による激しい競り合いです。

 デニー陣営は県知事選と一体に、「唯一のオール沖縄候補」であるカイザ氏勝利へ全力をあげるかまえです。


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