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2022年9月7日(水)

性暴力 特別防衛監察

全自衛隊のハラスメント

防衛相「第三者委」明言せず

 浜田靖一防衛相は6日の記者会見で、全自衛隊を対象としたハラスメントに関する特別防衛監察の実施を指示したと明らかにしました。また、ハラスメント対策のための有識者会議を設置するとしました。


 在職中の性暴力被害を実名で告発した元陸上自衛官・五ノ井里奈さん(22)が第三者委員会による調査を求める署名10万5000人分を提出したことを受けての措置。日本共産党など野党各党の支援も受け、五ノ井さんの勇気ある行動が防衛省を追い詰めました。

 浜田氏は、五ノ井さんの事件に関しても調査を約束し、防衛監察本部所属の検事と検察庁からの出向事務官の2人を4日、五ノ井さんが所属していた陸自東北方面隊に派遣したことを明らかにしました。有識者会議でも、五ノ井さんの事件を議論するとしています。

 ただ、浜田氏は五ノ井さんが求めている第三者委員会の設置は明言せず、「第三者性の確保」に言及するにとどまりました。また、これまでも南スーダンPKO(国連平和維持活動)日報隠蔽(いんぺい)などで特別防衛監察が実施されていますが、詳細はほとんど開示されていません。有識者会合のメンバー構成や、調査結果の開示など透明性確保などで、さらなる世論の後押しが求められます。

客観的調査と処分・謝罪早く

被害告発の元自衛官・五ノ井里奈さん

 先月31日に、第三者機関の調査を求める署名と同時に自衛隊内でのセクハラ実態アンケートを提出しました。私以外の多くの被害者がアンケートを通じて声を上げました。今回の特別防衛監察の実施は、防衛大臣がその声にちゃんと目を通した結果だと思います。今も自衛隊内にハラスメントの当事者がいます。これを機に状況をしっかり調べ、対策や窓口のあり方などを見直すべきです。

 一方で、私の受けた性暴力被害の徹底調査は、最初の段階で早くやるべきでした。加害者、目撃者が証言せず、検察審査会の結果もまだ出ていません。一刻も早い客観的調査と厳正な処分、そして謝罪がほしい、このことを引き続き求めていきます。


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