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2022年9月6日(火)

きょうの潮流

 いまやAI(人工知能)を駆使した自動運転技術の開発が進む時代。ギアを手動操作する「マニュアル(MT)車」を保有している人は圧倒的に少なくなっているのではないでしょうか▼筆者が運転免許を取得した当時、まだ主流だったMT車の足元には3本のペダルがありました。そのうちの1本が「クラッチペダル」です。動力の伝達を左右する、このペダルの操作に苦労したことを思い出しました▼最近、米軍などが使用する垂直離着陸機オスプレイに、何らかの原因でクラッチが滑る、という不具合が起きていたことが発覚しました。自動車で「クラッチ滑り」が起きれば、加速しても速度が上がらず、エンジンの回転数だけ上がって最悪、焦げついてしまいます▼オスプレイで「クラッチ滑り」が発生すれば、ただちに緊急着陸が求められ、最悪の場合は墜落にいたります。米空軍がCV22オスプレイを全機地上待機にしたのは当然であり、対照的にMV22オスプレイの飛行継続を強行した米海兵隊の対応は実に乱暴なものでした▼ところが、空軍はわずか2週間で飛行再開に踏み切ります。不具合の原因究明もされず、根本的な解決も後回しです。とられた対策は「教育・訓練の追加」、つまり乗組員の技術で何とかしろということです。自分が乗組員だったら、絶望的な思いを抱いたと想像します▼こんな乱暴な対応を、日本の防衛省は「何の問題もない」と全面追認して、国内での飛行再開を容認しました。底なしの思考停止です。


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