2022年9月1日(木)
無期雇用なのに契約終了!?
鈴鹿大は解雇撤回せよ
津地裁 非常勤講師が提訴
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鈴鹿大学(三重県鈴鹿市)の非常勤講師を務めてきた東海圏大学非常勤講師組合の組合員2人が30日、無期雇用契約に転換していたのに雇用契約を打ち切ったのは不当だとして、学校法人享栄学園に対して解雇撤回と未払い賃金の支払いを求めて津地裁に提訴しました。
訴状などによると、非常勤講師は2002年から1年単位の有期雇用契約を繰り返し更新し日本語の授業を担当。通算5年以上雇用継続すれば無期雇用契約に転換できる「無期転換ルール」(労働契約法18条)に基づいて18年4月に無期雇用の申請を行い、翌年度から無期雇用契約に転換しました。
しかし学園側は20年4月から授業のコマ数を一方的に削減。さらに授業体制の見直しで担当させる授業がなくなったなどとして21年2月、同年3月末での「雇用契約終了」を文書で交付し、雇用を打ち切りました。
原告弁護団は、無期雇用に転換されたにもかかわらず契約を打ち切られる合理的な理由はないなどとして、解雇の無効と削減されたコマ数分の賃金支払いなどを求めています。
提訴後の会見で原告の大本達也さん(59)は、「無期雇用へ転換しても契約を打ち切る風潮がまん延すれば非正規雇用労働者にとって危機的な状況になる」と話しました。
非常勤講師や支援者らは同日、支援する会を結成。津市で開かれた結成総会には労組の枠を超えて支援者が集結しました。みえ労連の臼井照男議長は「コマがないのであれば別の働き場所を提供する必要があるが、その努力がされているとも思えない。この問題は鈴鹿大学だけではなく日本社会の雇用の縮図的なところがある。解決するためには社会的な包囲が欠かせない」と支援の拡大を訴えました。