2022年8月31日(水)
値上げ加速の秋
食品8000品目
対象拡大 上げ幅15~20%
生活必需品の値上げが加速しています。帝国データバンクの調査によると、食品の値上げは8月に2431品目にのぼり、2022年1月以降、単月で初めて2000品目を超えました。9月以降の値上げ予定は8043品目(うち9月1661品目、10月6305品目)に達します。
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値上げ幅も拡大しています。6月以前が平均10%程度だったのに対し、7月以降は平均15~20%となっています。小麦・油脂・原油などの世界的な価格高騰に加え、円安を理由とする値上げが増えているためです。
9月から、雪印メグミルクは家庭用マーガリンなど13品目を約6~14%、家庭用プロセスチーズ7品目を約4~9%値上げします。マルハニチロはツナなどの缶詰25品目を約5~25%、ちくわなどの練り製品44品目を約5~20%値上げします。
食品値上げは年内に2万品目を超え、平均値上げ率は14%となる見通しです。帝国データは「年初に値上げを実施した食品類を中心として円安を理由とした再値上げ・再再値上げが秋以降に集中しており、全体の値上げ品目数を大幅に押し上げる要因となっている」と指摘しています。
食品以外の商品も値上げラッシュが続きます。9月から、パナソニックはドライヤーなど一部家電製品の出荷価格を約2~33%引き上げます。同社は8月から冷蔵庫など家電製品全般の値上げを始めています。ブリヂストンは4月に続いて今年2度目の値上げを行います。国内市販用タイヤやチューブを3~8%値上げします。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は26日の講演で物価抑制のために金融引き締めを継続する決意を表明しました。米国で利上げが長期化して日米金利差が拡大するという見方から、円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場はおよそ1カ月半ぶりに一時1ドル=139円台に達しました。円安による輸入物価の高騰が長期化し、国内物価への波及が今後も続く恐れがあります。
生活必需品が全般的に値上がりしているのに、岸田文雄政権の対策はガソリン補助金などの部分的な内容にとどまっています。消費者と中小企業の双方にとって全般的な負担減となる消費税減税の実施が求められます。









