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2022年8月26日(金)

沖縄県知事選

デニー知事第一声(要旨)

 25日に告示された沖縄県知事選(9月11日投票)で再選を目指す「オール沖縄」の玉城デニー知事の、うるま市での第一声(要旨)を紹介します。


写真

(写真)告示第一声で訴える玉城デニー知事=25日、沖縄県うるま市

貧困の連鎖断ち切り 支援と協力の体制を

 私は母子家庭で生まれ、2歳から10歳まで里親の家庭で愛情深く育てていただきました。近くの小学校に通い、学校が終わったら(現うるま市)屋慶名(やけな)の海岸でカニをとったり、ミーバイを釣ったり、たくさんの友達とやんちゃな、たくましい少年時代を過ごしました。幼い頃からカッチングスク(勝連城跡)に登り、360度見渡しながら、この豊かなふるさとの歴史、伝統、文化をずっと大事にしたいという思いが私の現在にもつながっていると思います。

 2018年9月、翁長雄志県知事の急逝に伴い、そのとき衆議院議員を務めていた私に、多くの県民の皆さんから後押しを受け、知事選へ出馬しました。この4年間、誰一人取り残さない沖縄らしい優しい社会、誇りある豊かな沖縄、イデオロギーよりアイデンティティー、その理念のもと公約実現に向け、必死に取り組んできました。

 4年前に掲げた公約は291項目で、うち287項目の公約が計画として予算が付けられ、実行されています。翁長知事が子どもの貧困対策は「県政の重要政策」と位置付け、4年間で30億円の基金を創出し、子どもの貧困対策に取り組んできました。私の県政で、22年から60億円に倍増し、10年間子どもの貧困対策のために緊急的に対応し、対策をしっかりと続けるよう計画に盛り込みました。

 子どもの貧困だけではなく、どの子も健やかに育ってもらうよう子ども政策に力を入れました。41全ての市町村の担当者と県の職員が協議を重ね、市町村の協力も得て、仲井真知事の時には3歳までの通院費窓口無料化が、翁長知事の時に小学校に上がる前まで引き上げ、そして今年4月からは、私の県政で中学卒業まで通院費無償化ができました。

 就学支援も拡充し、一人親世帯、非課税世帯の子どもたちは、中学生高校生バス通学の無料化も実現。18歳で成人年齢を迎えた子どもたちに、しっかりと支援の目を向けていきたい。そして、女性が子育てしやすい働きやすい環境をつくり、女性自身が自分のキャリアアップを実現できるような仕組みを、民間企業とともに行政の公的な責任として結んでいきます。

 奨学金の返済に困っている若い人たちを支援する企業には、県からも支援を行っていきます。貧困の連鎖を断ち切り、沖縄県民が全ての人生のステージにおいて、しっかり支援と協力の体制ができるよう、さらに力強く2期目に向けての政策を充実させていきます。

新基地を造らせない 全身全霊で取り組む

 そして、米軍基地問題です。翁長知事が命をかけて普天間の危険性除去、辺野古新基地建設反対を貫いた意思を、私も折れることなく自分の信念のど真ん中に置いて、辺野古に新しい基地を造らせません。普天間基地の一日も早い危険性の除去と閉鎖・返還を必ず実現させる。その思いでゲート前で頑張っている方々、ゲート前には通えないけれどもずっと心の中でエールを送る方々と、私も心をつなぎ、これからもぶれることなく辺野古に新基地を造らせない。そのことを全身全霊で取り組んでいきます。

 これまでも基地が返還された跡地は、那覇新都心、小禄金城(おろくかなぐすく)、北谷(ちゃたん)町ハンビーなど人口が集中する地域の基地を早く返還させ、市町村と県政が広域行政として、協力していける姿勢こそが本当の地方自治の姿です。

 しかし、憲法の理念にもある地方自治を阻害する国のやり方は、県民も絶対に認めることができないし、私も断じて許すわけにはいきません。辺野古の新基地建設は私が昨年11月に変更承認申請を不承認としました。その法律にのっとった正しい取り組みを、多くの県民の皆さんも支えていただいています。あらゆる手だてを取り、未来の子や孫たちに青空の下でのびのびと、ヘリが飛んできてシェルターに逃げ込むことがないような沖縄を必ず実現します。

 1期4年間、県民のため、故郷のため、ぶれることなく全身全霊で取り組んできました。その思いと行動を2期目に向け、9月11日の審判が下る日まで堂々と、地に足を付けて政策を訴えていきます。誰一人取り残さない優しい沖縄の社会を実現する。新時代沖縄のさらに先へ。子どもたち、若者、女性の笑顔が輝く、ふるさと沖縄づくりのために、正々堂々と訴えていきます。皆さまのお力添えをよろしくお願いします。


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