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2022年8月23日(火)

主張

中小企業過剰債務

軽減・免除の仕組みづくり急げ

 日本経済の土台を支えている中小企業が、コロナ危機と原材料・燃料などの物価高騰によるダブルパンチに苦しんでいます。そのうえ、コロナ危機の対応で受けた融資(ゼロゼロ融資)の返済が迫ってきています。中小企業は、企業数で全体の99・7%、雇用者数でおよそ7割を占めています(2022年版「中小企業白書」)。中小企業を救う対策は日本経済の再生にとっても急務となっています。

危惧される倒産の急増

 ゼロゼロ融資は、金融機関に都道府県が利子を補給、元本は信用保証協会が保証することで実質無利子・無担保で最長3年間お金を借りることができる仕組みです。コロナ危機のもと、中小企業の資金繰りのために始められました。ゼロゼロ融資を含めたコロナ対応の融資残高の規模は、政府系金融機関と民間金融機関を合わせ21年4月末で56・3兆円に達します。

 民間信用調査会社・帝国データバンクの調査(2月14~28日)によると、ゼロゼロ融資などの新型コロナ関連融資を「借りた・借りている」のは52・6%と過半数を占めています。小規模企業では61・8%と、さらに多数です。借りた資金の使い道は、賃金などの「人件費」が50・1%でトップです。次いで「原材料や商品の仕入れなど」の43・4%でした。

 同調査には「コロナ関連融資を受けたことにより経営の延命はできたと思うが、急速な景気回復がない限り、返済に支障をきたす恐れがある」(旅館・ホテル)との不安の声が寄せられています。

 民間信用調査会社・東京商工リサーチの「債務の過剰感についてのアンケート調査」(4月1~11日)では、債務が「コロナ後に過剰となった」と回答した中小企業が21%です。「コロナ前から過剰感がある」の13・1%を合わせると、合計34・1%が「過剰債務」だと回答しています。コロナ関連融資の返済は一部で始まっており、これから本格化してきます。中小企業にとって、融資の返済が重い課題となってのしかかっています。

 ロシアのウクライナ侵略による経済への悪影響が中小企業を直撃しています。中小企業家同友会全国協議会の「中小企業の調達難や価格上昇に関する調査」(1~3月期)では、調達難や価格上昇で「何らかの影響がある」と回答した企業は92%にのぼり、その上位項目としては、「資材、部品などの価格上昇」が57%、「ガソリン価格の上昇」が48%、「資材、部品などの調達難」が32%となっています。

 帝国データバンクによると、7月の物価高倒産は、月としては過去最多の31件で、前年同月の17件を大きく上回っています。

 コロナ危機が継続しているうえ、物価の上昇はさらに深刻化する見通しです。返済に窮し、倒産に追い込まれる中小企業が急増することが強く危惧されます。

国の財政支援が必要

 政府は中小企業支援に真剣に取り組まなければなりません。資金繰りへの支援制度の継続・拡充とともに、早急に中小企業の過剰債務を軽減・免除する仕組みをつくるべきです。中小企業の資金繰りの円滑化などのため国・自治体が責任を持つ「地域金融活性化法」などの制定も必要です。業者を苦しめている消費税の減税とインボイスの中止は待ったなしです。


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