しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年8月20日(土)

「尊厳ある賃金」必要

アルゼンチンで数十万人デモ

主要労組共同 大企業への規制求める

写真

(写真)インフレ対策を求め、大通りを埋めて行進する労働者ら=17日、ブエノスアイレス(国民経済労組のツイッターから)

 前年比70%超の高インフレに見舞われているアルゼンチンで、物価高騰の原因となっている大企業の価格引き上げや投機に規制を求める動きが強まっています。17日には首都ブエノスアイレスで主要労組が共同で呼びかけた抗議デモが行われました。

 現地からの報道によると、数十万人が参加し、冬の凍える寒さと強風の中、国旗や所属団体の旗を振り、ドラムをたたきながら、国会議事堂まで行進しました。

 金属労組幹部のセルヒオ・ロペスさんは外国メディアに、「国民はもうたくさんだといっている。インフレで給与がすべて食いつぶされ、われわれは貧しくなるばかりだ」と語り、インフレに見合う「尊厳ある賃金」が必要だと訴えました。

 多くの参加者が、米穀物商社カーギルなどの外国系大企業が、穀物の生産から輸送・販売まで牛耳っていると指摘。賃上げや援助金支給だけでなく、「価格設定者」となっている大企業の活動に規制をかけるべきだと主張しました。

 労組幹部からも支援を受ける中道左派のフェルナンデス政権は、コロナ禍や世界的な燃料・穀物価格高騰で予想外の大もうけをしている大企業への一時的な特別課税案を示しましたが、右派野党や財界の抵抗に直面しています。

 同国最大の全国労組、労働総同盟(CGT)のパブロ・モヤノ共同書記長は、出身労組である輸送労働者組合が用意したトラックの荷台から演説。「政府はやるべきことをやるべきだ。それは力のある勢力に立ち向かうことだ」と述べ、外国企業を含む大企業への規制を通じてインフレ抑制を図るよう要求しました。

 行動に参加した労組幹部らは、インフレ対策のため企業家団体とも交渉する用意があると表明。交渉を拒否するなら、新たな抗議デモも辞さないとする立場を示しています。


pageup