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2022年8月19日(金)

法相の死刑執行 抗議の集会

「世界に遅れ」「社会的損失」

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(写真)発言する雨宮処凛さん=18日、東京都千代田区

 古川禎久法相(当時)による7月26日の加藤智大元死刑囚の死刑執行に抗議する集会が18日、東京都内でありました。主催は死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、アムネスティ・インターナショナル日本など。

 秋葉原で2008年に無差別殺傷事件を起こした加藤元死刑囚は家庭内虐待や派遣労働問題、格差と貧困社会の中で追いつめられ犯行に至ったことが裁判などで明らかになっています。

 作家の雨宮処凛さんは、コロナ禍で寮付き製造業で解雇され、仕事と同時に住まいも失う人が増加し、アラフォー(40歳前後)世代の人からの自暴自棄な内容のメールが届いていると紹介し、「孤立と貧困が極まった末の事件が起き続けている中での死刑とは何なのかと考え続けている」と話しました。

 精神科医の香山リカさんは「今回の執行に非常にショックを受けている。日本の死刑制度は『これくらいの仕打ちを受けても当然』というような世界的に遅れた状況にある」と強調。「今回の執行は単純に人道的に問題というだけでなく、拡大自殺(まわりの人間も巻き込んで行う自殺)という現象を今後どう防いでいくのかを考えていくうえでも社会的な損失」と指摘しました。

 評論家の太田昌国さんは、死刑囚表現展で加藤元死刑囚が深い孤独感や幼少期の経験を表現した作品を紹介しながら発言。「事件は不条理でむごたらしいものだが、事件から十数年の変化をどう捉えるかという問題が私たちの目の前にある」と話しました。

 最後に「7月26日の加藤智大さんへの死刑執行に対し強く抗議する」との決議をあげました。


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