しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年8月19日(金)

主張

GDPと物価高騰

国民を苦難から救う対策急げ

 4~6月期国内総生産(GDP)は実質で前期比年率換算2・2%増となりました(15日公表)。年換算の実額は542兆円と新型コロナウイルス感染まん延前の2019年10~12月期を上回りました。しかし7月以降は感染が急拡大し、物価高騰が暮らしや営業に与える影響も深刻で、回復とは程遠い状況です。国民の命と暮らしを守るため政治が責任を果たさなければなりません。

無策の継続は許されない

 欧米諸国と比べても日本経済の低迷は際立っています。国際通貨基金(IMF)による7月時点の予測では、22年の成長率は米国2・3%、ユーロ圏2・6%に対し、日本は1・7%となります。

 日本では感染「第7波」がこれまで経験したことのない規模で広がって死者が急増するとともに、経済活動を妨げています。

 商店やサービス業者らに景気の実感を聞く内閣府の景気ウォッチャー調査で7月は現状判断、先行きとも6月に続いて低下しました。アンケートでは景気失速への懸念が数多く語られました。

 「感染が爆発的に増えているのに何も手を打たず、規制もしない。政府が何らかの手を打ってくれないとよくならない」(南関東のレストラン)と政府の無策ぶりを批判する声が出されました。

 オミクロン株の「BA.5」系統への置き換わりの影響などで感染が急増しても、岸田文雄政権は対応策の全体像を示しません。感染を抑制してこその経済活動です。医療提供体制の強化をはじめ事態に応じた対策を早急に立てるべきです。

 物価対策は一刻の猶予もなりません。消費者物価は2%を超す上昇が4月から3カ月続いています。今後も多くの値上げが予定され、さらなる物価上昇が予想されます。ここでも岸田政権の対応は遅く、小手先のものに終始しています。

 岸田政権は15日になってようやく輸入小麦の政府売り渡し価格を10月以降据え置くことを決めました。すでに物価高が進んでいた4月に反対を押し切って引き上げを強行したことを反省すべきです。

 燃油価格の抑制や中小業者への支援金などの緊急策とともに経済政策の転換が欠かせません。何よりも大幅な賃上げが重要です。22年度最低賃金の引き上げ目安額は3・3%増と、きわめて不十分です。中小企業の賃上げ支援をはじめ政治が責任を果たすことが急務です。

 農家は米価格の暴落や資材価格の値上がりに加えて、各地で豪雨被害に苦しめられています。被災農家への支援は待ったなしです。このような時期に、農業経営に大きな打撃を与える水田活用交付金の削減は許されません。

臨時国会の開会ただちに

 日銀の「異次元の金融緩和」政策が円安を誘導し、輸入物価を押し上げて物価上昇に拍車をかけていることは明白です。抜本的に見直さなければなりません。

 消費税減税は、物価高騰から暮らしと営業を守り、日本経済を強くするうえで今、最も求められています。ただちに5%に減税し、小規模業者に新たな負担をもたらすインボイス制度の導入は中止すべきです。

 臨時国会を開き、新たな予算措置を含めた対策を急いで審議、決定する必要があります。


pageup