2022年8月18日(木)
コロンビア 労働改革へ
「労働者の権利・生活向上こそ持続的な企業創出の道」
左派新政権が概要
南米コロンビアで7日に発足したペトロ左派政権は、長年の新自由主義政策で抑圧されてきた労働者の権利と生活の向上のため、労働基本法改定など労働改革に意欲を示しています。グロリア・ラミレス労働相が16日、議会で改革の概要を明らかにしました。
ラミレス氏は、政府として強く持続的な企業を創出する道を歩むには、労働が不安定であってはならないと強調。「不平等と貧困に対処したい。そのためには、賃上げだけでなく労働者の生活条件の向上、子どもの教育の保障、健康と余暇の保障にも専念していく」と表明しました。
労働者の権利が十分保障されていない現行労働基本法に代わる「労働規約」を創設するとし、企業経営者らとも対話を進めていくと語りました。
具体的には、午後6時以降の仕事は夜間労働として、昼間の賃金の35%増しの賃金を支払うことを提案。これは夜間労働の割増賃金が廃止された、2002年の労働法改革の以前の状態にもどすものです。
ラミレス氏は、当時は60万人の雇用創出につながるとされるも「達成されなかった」と指摘。「これは社会正義のプロセスだ。私たちはそのために働いている。これがペトロ大統領の政府のこだわりだ」と述べました。
同氏は年金制度改革にも言及。同国では労働人口2600万人のうち年金制度に加入している人はわずか200万人にすぎません。58%にも達している非正規労働者の収入と権利を向上させ、年金積立ができるように政府として「挑戦する」と力説しました。
ラミレス氏は7日の就任後、精力的に労働組合と会合を重ね、労働改革について意見を聴取。経営者団体や右派野党などから強い懸念の声が上がっていますが、同氏は労働規約の草案を半年以内にまとめ、議会に提出すると述べています。