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2022年8月18日(木)

主張

教育のつどい

語りつながり未来をひらこう

 「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会」(実行委員会主催)が18~21日に高知市内で開催されます(一部オンライン)。国語などの教科教育、GIGAスクールや学校統廃合への対応、不登校、学校づくりや生活指導など多彩なテーマで各地の教職員、保護者、市民らがリポートを持ち寄り、語り合います。

子どもと心を通わす実践

 日本の教育は、自民・公明政権による新自由主義的な「教育改革」により、矛盾を深めています。子どもの不登校が安倍晋三政権時代に倍加したことや「教員不足」が止まらないことは、その端的な表れです。多くの学校でテストの点数が最優先事項となり、教職員はトップダウンの学校運営や長時間労働で疲弊しています。

 各地のリポートには、こうした逆流をのりこえようとする試みが生き生きと記されています。

 大都市圏のある教員は、通う塾のランクと塾での席順を気にする子どもたちに寄り添います。「知識を正確に効率よくアウトプットする」受験勉強を全否定せず、「だからこそ学校では、五感を使って、みんなで話し合って、自然科学の事実を発見していく学びの楽しさを感じられる授業を子どもと創っていく」とします。塾などのストレスから授業を妨害する成績優秀の子どもが、時のたつのも忘れて実験に魅入られ、塾の時間が迫ってあわてて出ていく姿を「さわやか」と見守ります。

 ある地方都市の教員は「どこかのクラスが荒れて、補充がないまま1年が終わることが数年続いている」と苦悩します。学校は荒れの原因を、ルールの徹底不足や子ども、保護者のせいにし、職員会議で子どもや親の生きづらさを指摘しても、「それは個人の責任」と管理職はとりあいません。教員は時に失敗しながらも、立ち歩き、暴言、奇声をくりかえす子どもたちと向き合います。子どもの心に「安心安全基地」をつくることを心がけ、やがて子どもと心を通わせます。

 若い教員は「自分のクラスの状況を聞いてもらえる、話せる相手がいることがどんなに安心なことか」と言います。子どもたちとつながり、教員同士や親たちがつながる―ここに逆流をはね返す根本の力があるのではないでしょうか。

 コロナ禍は少人数学級化の流れをつくり、トップダウンでは子どもたちが育たないことも明らかにしました。こんな時だからこそ子どもの自主性を育てようという実践がうまれています。

 ジェンダー平等は学校でもいよいよ重要課題です。「性教育バッシングの時とは様相が変わってきている」と新たな広がりをみせています。校則でもさまざまな見直しの実践報告が寄せられています。

いま平和守る取り組みを

 つどい実行委員会は「いまこそ戦争でなく平和を世界に」と訴えています。子どもたちはウクライナへの侵略に衝撃を受け、「どうしたら平和を守れるのか」と問いかけ、悩んでいます。「教え子を再び戦場に送るな」と平和教育を積み重ねてきた教育運動の役割は大きなものがあります。

 オンラインでもリアルでも語り合えば元気がうまれます。教育の未来をひらく新しい力を創造する「つどい」を、多くの参加で成功させましょう。


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