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2022年8月17日(水)

きょうの潮流

 山は青き、水は清きと、日本のふるさとが歌われてから1世紀余りがたちます。ありさまは変わってきたとはいえ、せせらぐ清流はいまも各地に▼「この川が、こんな姿になるなんて…」。東北に帰省中の男性がテレビで嘆いていました。記録的な豪雨で濁流となり、家を水浸しに。様変わりしたふるさとの川に異常気象を改めて実感したという人も▼このところの夏にくり返す深刻な水害。収穫前の農作物や畜産も襲い、秋田の大館市では比内地鶏の鶏舎が浸水し1万5千羽以上が溺死したといいます。危機的な状況に生活を心配する声も相次いでいます▼豪雨被害はおとなり韓国でも。ソウルでは半地下の住宅に住む家族が亡くなりました。地面と同じ高さに窓がある劣悪な環境の住まいは貧しさの象徴とされ、アカデミー賞映画「パラサイト」にも描かれました。今回の悲劇は格差社会の反映との受けとめが広がり、政府への批判もでています▼世界中の貧困層を直撃する気候変動。洪水は都市のスラム街を押し流し家屋と生活を破壊する、暑さは屋外の労働を困難にすると、その影響を国連も懸念しています。この10年、災害によって毎年平均で2300万人がふるさとを追われ、貧困に陥るおそれのある人びとも増加していると▼とどまることを知らない猛暑と大雨の日々。ふるさとや培ってきた営みを奪われ、国の基盤さえ失われていく。その現実を見すえるなら、いま何をすべきか。軍拡だ、国葬だと走ることのなんと愚かしいことか。


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