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2022年8月13日(土)

ウクライナ原発1基停止

安保理でIAEA報告 砲撃に非難相次ぐ

 【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は11日、ウクライナ南東部にあるザポロジエ原発に対する砲撃が続いていることを受けて、同原発の安全管理に関する公開会合を開きました。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、砲撃で配電盤付近が被害を受け、原子炉1基が稼働を停止したと明らかにしました。各国から砲撃を非難し、ロシア軍の撤退を求める発言が相次ぎました。

 ザポロジエ原発はウクライナ侵略を続けるロシア軍が3月に制圧。今はロシアの管理のもとでウクライナの職員が稼働させています。同原発は今月5、6日に続き、11日にも砲撃を受けました。ロシアとウクライナは互いに相手側による攻撃だと主張しています。

 オンラインで出席したグロッシ氏は、原子炉1基の停止について、差し迫った脅威はないとする一方で「状況はいつでも変化しうる」と強調し、原発周辺での戦闘行為の中止を求めました。ロシアとウクライナに対し、IAEAの調査を可能な限り早期に受け入れるよう呼び掛けました。

 ジェンキンス米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)はロシアに対し、原発とその周辺での軍事作戦の停止とウクライナ領土からの撤退を要求。フランス代表は、ロシアによる原発の制圧は「国際社会全体にとって危険だ」と指摘し、IAEA職員が妨害されずに安全に現地に入れるようロシア側に対応を求めました。

 ガーナ代表は「ロシア軍の完全かつ無条件の撤退による軍事的敵対行為の停止こそが平和と安全の回復に向けた唯一の受け入れられる道だ」と述べました。

近隣の軍事行動即時中止を要求

国連総長

 【ワシントン=島田峰隆】国連のグテレス事務総長は11日、ウクライナ南東部のザポロジエ原発に対する攻撃をめぐって声明を発表し、「原発のすぐ近くでのあらゆる軍事行動を直ちに中止し、原発やその周辺施設を標的にしないことを求める」と強調しました。

 声明は現状について「深い懸念」を表明。原発への攻撃は「原発のすぐ近くだけでなく、周辺地域やそれを超えた場所にまで破滅的な結果をもたらしうる。それはまったく受け入れられないことだ」と指摘しました。

 ザポロジエ原発からあらゆる軍部隊や装備を撤退させ、これ以上の軍や装備を送らないよう要求。関係者に対し国際原子力機関(IAEA)が現場を訪問できるよう協力を求めました。


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