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2022年8月12日(金)

きょうの潮流

 あまりにストレートな言葉にちょっと驚きました。「競争社会をつくり、弱い者は去り、強いものは残るということ」▼電話取材に応じた竹中平蔵氏は「『構造改革』ってひとことで言うと、どういう意味ですか」という質問に即座に答えました。弱肉強食社会をつくるということ。慶応大学教授だった竹中氏は小泉内閣の経済財政担当相に起用されました▼「構造改革なくして成長なし」。小泉・竹中「改革」と呼ばれ、中小企業を「不良債権」扱いし競争力のない中小企業に市場からの退場を迫り、リストラ・労働法制の規制緩和を促進しました▼「政治に望むことは企業の邪魔をしないで、自由にやらせてくれということ」「『構造改革』を掲げる限り小泉内閣を応援する」。当時の経団連事務局幹部の話が印象的でした。企業の再編・淘汰(とうた)のため雇用問題に関心がありました▼市場に任せればすべてうまくいくという新自由主義にもとづく「構造改革」路線は貧困と格差を広げ、政権交代の要因となりましたが「アベノミクス」として引き継がれ、いまに続いています▼竹中氏は安倍内閣時代にも産業競争力会議メンバーとなり、アドバイザー的役割を継続。規制緩和の旗を振り続けた竹中氏が人材派遣会社のパソナグループ会長に就任したことは「利益相反」「利権あさり」と批判をあびました。これが竹中氏流の「成功者」ということなのか。パソナ会長は退任するものの新自由主義から「やさしく強い経済」への転換は待ったなしです。


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