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2022年8月11日(木)

学術会議任命拒否問題

会員再選考ありえない

長官提案受け臨時総会

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(写真)臨時総会で議論する日本学術会議=10日、東京都内

 日本学術会議が推薦した会員候補のうち6人の任命を岸田文雄首相が拒否し続けている問題で、松野博一官房長官が、学術会議側に選考のやり直しを求めていることが10日、分かりました。同日、学術会議が都内で開いた臨時総会で、梶田隆章会長が松野氏との面談の経過を報告し、明らかになりました。

 これに対し会員からは、同会議の選考は法にのっとって正当に行われたもので、再選考はありえないとの批判が相次ぎました。

 梶田、松野両氏は3月16日と8月3日の2回にわたり面談。梶田氏は、任命手続きは終了しているという政府の立場に留意しつつ、学術会議の独立性を損なわない解決策として、6人の名簿の再提出を提案し、任命手続きの再開を求めました。これに対し松野氏は、それは政府の考え方とは相いれず、「未来志向」で対話を進めるという点からもそぐわないとして、候補者の再選考を提案したといいます。

 総会では会員から、「再選考は政府の任命拒否を追認し、学術会議の独立性を自ら否定することになる。民主主義の根幹が脅かされている」「6人の欠員という違法状態を解決するべきなのは政府の側だ」「“未来志向”というなら過去を踏まえなければならない」など、長官の提案は容認できないとする意見が続出しました。

 総会後に開いた会見で梶田氏は、「選考のやり直しは極めてハードルが高いと既に面談で松野長官に伝えているが、総会の議論でそれを再確認した。議論を踏まえ、今後も粘り強く6人の任命を求めていく」と述べました。


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