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2022年8月10日(水)

きょうの潮流

 「すてきなドラマ」の続きをみているようでした。日本時間8日早朝に終わったゴルフの全英女子オープン。その序章は3年前の同じ大会にさかのぼります▼日本の渋野日向子(ひなこ)選手が初優勝を決めたときのこと。ともに回っていた南アフリカの選手が、まるで自分が勝ったかのように思い切り万歳する姿がありました。あまりに無邪気に喜ぶさまが、日本でも「いい人」と話題になったほど▼その人はアシュレー・ブヘイ選手。今大会は彼女が主役でした。ツアーデビューから14年、33歳で初のメジャー制覇を成し遂げました。4ホールに及ぶプレーオフの末に栄冠を手にし、「夢がかなった」と顔を覆って涙しました▼しかも最終日では3位となった渋野選手とともに回り、優勝を争っていました。それでも2人はこの日、互いに「ナイスバーディー」などと声を掛け合っていたと。渋野選手は優勝したブヘイ選手としっかり抱き合い、3年前の“返礼”も果たしました。勝負という厳しい世界に身を置きながら心を通わせ、成長し合う2人の絆のストーリーでもあります▼プレーオフで力尽きて2位だった韓国のチョン・インジ選手は今季、スランプやうつ病を乗り越えつつ復活を果たしました。凜(りん)としてプレーする彼女が、最後はブヘイ選手を笑顔でたたえる姿もよかった▼手に汗握る選手たちのたたかいとその中に見える心温まるやりとり、そしてそれぞれの人生模様…。スポーツから紡がれる現実の物語が、また私たちをひきつけてくれるはずです。


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