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2022年8月6日(土)

原水爆禁止世界大会国際会議

二つの条約(核禁条約とNPT)で核兵器廃絶に向け前進を

緒方副委員長の発言

 日本共産党の緒方靖夫副委員長(原水爆禁止2022年世界大会共同議長)は5日、広島市で開かれた大会の国際会議に出席し、会場から発言しました。全文を紹介します。


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(写真)国際会議で発言する緒方靖夫副委員長=5日、広島市中区

 本大会は、核兵器禁止条約の第1回締約国会議成功の後に開催されています。その政治宣言は、「核兵器は、平和と安全を守るどころか、無数の生命、社会、国家を破壊し、地球規模の破滅の危険性に基づく核抑止論の誤りを浮き彫りにした」と明言しています。

 宣言の結びに「われわれは、最後の国が条約に参加し、最後の核弾頭が解体・破壊され、地球上から核兵器が廃絶されるまで、休むことはない」と決意を表明しています。

 われわれの大会が長年世界に発してきたのと同じ訴え、同じ決意が世界の一連の政府により表明されたことは画期的です。核兵器をめぐる国際政治の新たな到達点を示しています。これは、ウクライナで戦争が続き、侵略国ロシアが核兵器使用を公言しているもとで、NPT(核不拡散条約)再検討会議を前にして表明された重要な出発点であります。

 ロシア、米国、中国、仏、英はこの十年来、P5(五つの核保有国)グループとして共同行動し、NPT6条の核軍縮義務に背をむけ、それぞれ核戦力強化をすることでは完全に一致しています。

 ウクライナをめぐって激しく対立していた今年1月にも、P5は共同声明を出し、「核戦争に勝者はなく、決してそのたたかいはしてはならない」と述べました。そのための行動が厳しく求められています。P5は「核保有国間の戦争を回避し、戦略的リスクを低減する」とは言うものの、核戦争を回避する確実・唯一の道である核兵器廃絶に進むことについては拒否し続けています。

 P5の横暴を抑え、核軍縮、さらに核兵器廃絶への道を拓(ひら)くには、核兵器禁止条約の国際的規範性を高めることです。この条約は国際政治の現実として重みを増しています。

 それは、P5が条約について非現実的で有害であると当初投げつけた非難を繰り返せなくなったことにも示されています。また、締約国会議に米国の同盟国の5カ国もオブザーバー参加し、建設的に議論したことにも示されています。

 締約国会議が再確認したように、核兵器禁止条約はNPTを補完するものです。NPT再検討会議が、NPTと核兵器禁止条約の二つの条約を核兵器廃絶に向かう「車の両輪」として前進させる成果をあげるよう強く要請しようではありませんか。

 ここ被爆地広島から、ニューヨークに、ウクライナに向け、大会の声を力強く発信していきましょう。


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