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2022年8月6日(土)

日本政府は二つの大問題正せ

核兵器廃絶 志位委員長が提起

広島 NGO討論会

 広島への原爆投下から77年を前にした5日、「核兵器のない世界に向けた日本の役割」をテーマに、被爆者や与野党代表、有識者らが参加する討論会が広島市で開かれました。日本共産党からは志位和夫委員長が発言しました。主催は核兵器廃絶NGO連絡会。


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(写真)カクワカ広島共同代表の田中美穂さん(手前)の質問に答える志位和夫委員長(右奥)=5日、広島市中区

 志位氏は、1日に開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議での岸田文雄首相の演説を聞いて、「核兵器問題に対する日本政府の二つの問題点が現れた」と指摘。それを根本からただすよう求めました。

岸田首相の演説 核禁条約触れず

 第1は、核兵器禁止条約に一言も触れなかった点です。ドイツやノルウェー、ベルギーなどの米国の同盟国が禁止条約締約国会議にオブザーバー参加したことは、「禁止条約が無視しえない現実になっていることを示した」と指摘。「この重要な会議に唯一の戦争被爆国の政府が参加せず、NPT再検討会議の演説でも禁止条約に一言も言及しないのでは『橋渡し』を名乗る資格はない」と批判し、「日本政府は『核抑止力』論の呪縛から抜け出し、禁止条約に署名・批准することを強く求める」と強調しました。

NPT6条にも

 第2は、核保有国に核軍縮・撤廃の交渉を義務付けるNPT第6条に一言も触れなかった点です。同会議では、「核兵器の完全廃絶の明確な約束」(2000年)、「核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを確立」(10年)することを全会一致で確認してきたと指摘。「日本政府は、自らも賛成したNPT再検討会議での一連の合意を再確認し、具体化・実行を国際社会、とりわけ核保有国に求めるべきだ」と主張しました。

 「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)共同代表の田中美穂さんから「核兵器のない世界をどうやって実現するのか」と問われた志位氏は、「『核抑止力』論を乗り越えることがどうしても必要です」と発言。「核抑止力」論は、いざとなったら核兵器の使用を前提にしており、広島・長崎のような非人道的惨禍を引き起こすことをためらわない議論であり、核の非人道性を批判するのなら、「核抑止」と両立しないと訴えました。

 どうやって「核抑止力」論を乗り越えるのか。志位氏は、「草の根の力だ」と指摘。長年の被爆者を先頭とした草の根の運動が核兵器禁止条約として実を結んだことをあげ、「これを世界中に広げていくための運動をいっしょにやっていきましょう」と呼びかけました。

 被爆者を代表して、胎内で被爆し、脳や体に障害を負った原爆小頭症患者や家族らでつくる「きのこ会」の長岡義夫会長は「胎児を傷つけることは人類の未来を否定することだ。二度と原爆小頭症患者を生み出してはならない」と述べ、核兵器廃絶を強く求めました。


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