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2022年8月3日(水)

きょうの潮流

 男は泣かない、男は勇敢であれ、男はスポーツが好き、男は女のことをわかっている―。親や学校、社会が押しつけてくる「男らしさ」に慣らされていく自分…▼幼い頃から男子とはこういうものという固定観念と葛藤してきた英国の人気コメディアンがその半生を『「男らしさ」はつらいよ』に描いています。めそめそするな、限界を超えろ、自分を哀れむな。こういう声がいつも聞こえてきたと▼強さを求める「男らしさ」が国際間の軍拡競争をもたらしている。今年の原水爆禁止世界大会・科学者集会で、ジェンダーと安全保障がテーマとなりました。講演した和田賢治・武蔵野学院大准教授は「他者への恐怖と憎悪が大本にある」として、核兵器のような暴力によって安全を守ろうとすることは男らしさの中でも有害で、新しい秩序が生み出されることはないと訴えました▼きのうの本紙が伝えています。同じ日の紙面には防衛省のセクハラ相談が最多となっていることも。自衛隊でのセクハラ被害は深刻で、最近も元自衛官の女性が複数の男性隊員から集団で性暴力を受けたと実名で告発しました▼厳しい上下関係や場の空気に同調する集団意識。男社会のゆがんだ性差別。女性は「自衛隊に今も浸透する間違った体質を変えてほしい」と再発防止と謝罪を求めています▼和田さんは、男性的な国家や為政者のあり方について「誰もが普遍的なものと思っている基準だが、乗り越える必要がある」。それはどんな組織であれ当てはまります。


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