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2022年8月1日(月)

きょうの潮流

 空襲で九死に一生を得た人、疎開先でつらい思いをした人、「満洲」から命からがら引き揚げた人…。市井の戦争体験を、カタログ販売の『通販生活』盛夏号が特集しています▼「語りつぐ戦争のはなし」と題した読者の体験談の中には、俳優の草笛光子さんや八名信夫さん、作家の五木寛之さんの話も。聞き書きした作家の森まゆみさんは戦争の原因が何であれ苦しむのは結果、普通の人びとだといいます▼戦後77年。体験者に話を聞く最後の機会かもしれないという森さん。日本は「武力による紛争解決を永遠に放棄する」たぐいまれな憲法9条をもつ国であり、平和憲法を堅持し「地上から戦争がなくなる日のために努力したい」と結んでいます▼本紙も「証言 戦争」への投稿を呼びかけています。先日は、働き者で実直だった父親が戦場から帰ってきた後に精神が徐々に崩れ変わってしまった姿を息子が話していました。戦争の呪縛を解くことができず、死ぬまで苦悩したと▼ロシアによるウクライナ侵略、岸田政権による大軍拡と9条改憲、そして核兵器の使用や共有が声高に叫ばれるいま、戦争の悲惨を伝え続ける意義は大きい▼紹介した『通販生活』の表紙にはこんな一文がつづられています。「77回目の『廃戦記念日』がやってくる。体験から生まれたわが国の理想(憲法9条・戦争の放棄)を年1回、世界に発信する記念日。理想にこだわらないと現実は変えられない」。二度と戦争はしないと誓った夏が、まためぐってきます。


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