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2022年7月31日(日)

参院選東京選挙区 山添議員再選 こうして実現

ボランティアパワーを結集 山添議員の実績と奮闘 力に

SNS・動画 魅力を発信

オンラインてい談

早稲田大学学生 安達晴野さん(19)

事務所スタッフ 坂井和歌子さん(44)

山添拓議員(37)

 参院選東京選挙区で日本共産党の山添拓さん(37)は得票数・率とも前進させ再選を果たしました。全候補の中で無党派層からの支持はトップ、10代でトップというメディア調査もありました。共産党が比例代表選挙で後退した中で、どのような取り組みでこの結果を勝ち取ったのか。山添さんと、応援に頑張った早稲田大学学生の安達晴野(せいや)さん(19)、事務所スタッフの坂井和歌子さん(44)=2021年の衆院選東京比例候補=に話し合ってもらいました。(司会は赤旗首都圏総局)

模索重ね幅広い人と

写真

(写真)選挙戦を振り返る(左上から)坂井、山添、安達の各氏=28日

 ―若い人の応援が目立ちました。安達さんはなぜ、山添さんを応援し、どんな活動をしたのですか。

 安達 もともとなんとなく自民党支持だったんですが、自民党改憲案を読んで「おかしい」と思い、ツイッターの動画で国会を見るようになりました。すると自民党はダメじゃん、共産党が言うべきことを言ってくれている。「法廷ドラマ」ともいわれますが、山添さんがかっこいい。今回の選挙ではインターネットでの発信、ビラ配り、ポスター張り、選挙カーの準備、電話かけと一通りやりました。

 山添 早稲田大学の正門前で約120人が集まった街宣で私の応援をしてくれましたね。友人にどう受け止められるかとか、不安もあったと思うのですが。

 安達 結構メンタルが強くてポジティブなのであんまり考えませんでした。自民党の朝日健太郎候補の応援をした友人もいるけど「お互い勝ってよかったね」「山添さん、コロナにかかっちゃったみたいだけど、大丈夫?」と言ってくれました。政治的信条が違っても意外に共存できると思いました。

 ―ボランティアのパワーがすごかったのも特徴ですね。

 坂井 山添事務所だけでのべ745人が参加しました。党の各地区委員会に集まったボランティアもいました。ボランティアは主にツイッターで参加を呼びかけ、ビラ折り、ビラ配り、電話かけなどをやってもらいました。ビラの証紙貼りを呼びかけたら、会場があふれてしまい、急きょ第三会場まで増やし、3時間ほどで1万枚を終えました。「国会質問を見て山添ファンになった。当落線上なんですよね。いても立ってもいられなくてきました。何をやればいいですか」と熱意がすごい。一方で選挙活動は初めてで遠慮がちに事務所をのぞき込む人も多かったです。一般紙の山添担当の記者も「ボランティアがすごいですね」と話していました。

 安達 ボランティアに参加する敷居が低かったと皆さん言っていました。ふらっと街宣に立ち寄りプラカードを持つとか。今までの共産党って何かに参加するとすぐ、連絡先書いてとか、党に入ってとか距離のつめ方がヘタだったけど、今回はみんなが自然に組織に合流できた感じ。あと、現場の意見に対する事務所の対応がすごく早いと思いました。

 坂井 本当? うれしい。そこはすごく意識していました。宣伝物の中身へのボランティア意見もすぐ取り入れるなど、みんなの熱意にどうこたえられるか、スタッフで模索し、相談しながら進めてきました。

 山添 幅広い方の応援で押し上げていただいた実感があります。終盤にかけて、普段は通り過ぎる人がほとんどという場所で100人ということもありました。「最後の1議席を僅差で争う」という情勢判断が伝わる中で応援していることを形にしたいという思いで来ていただいた方も多かったです。その多くが、私や共産党議員の国会質問の動画を見て、共産党や政治そのものに関心を持つようになったとのお話でした。

日常的な発信が力に

 ―国会質問の動画で山添支持になったという人は取材でも多かったです。なぜこんなに国会動画が広がったのでしょうか。

 山添 面白いからだと思います。不正の実態やくらしの切実な思いに向き合わない不誠実さが浮き彫りになることは共感を呼びます。こちらが期待しているわけではないところで“トンデモ答弁”が出ることもあります。ツイッターのEMILさんをはじめ多くの人が短い質問動画に編集し、さまざまなテーマでこまめに発信してくださっています。選挙になって急にではなく、日ごろから発信する方がいて選挙で改めて拡散されるというのは大きかったです。国会質問とは別に、環境アクティビストのeriさんとつくった1回1分の連作動画「山添拓の『憲法ってなあに?』」も多くの人に広がりました。

 坂井 若い人の利用が多い動画投稿サイトTikTok(ティックトック)で、中絶への男性の同意要件廃止を求めた山添さんの質問が170万回再生されています。妊娠中絶の問題を切り口に山添さんを知る。「こんな課題をとりあげる政治家がいたんだ」というコメントが多くついていて、今までつながりの薄かった層に声が届いていると実感しました。

 安達 動画の威力はすごい。山添さんの動画をツイッターで発信したら、20人くらいが「山添さんと共産党に入れたよ。当選してよかったね」とこちらから聞いていないのに連絡してきました。別の話ですが、街宣や演説会でも「安全地帯」から見たいという若い人は多いと思います。現場に行って声をかけられたり、見られたりするのは嫌だけど内容は気になるという人。そういう人にとってSNSという「安全地帯」は大切だと思います。

 山添 SNSは選挙ではもはや必須です。私は、コンスタントに自分の言葉で発信することを大事にしてきました。インスタグラムではeriさんや、「#検察庁法改正案に抗議します」で活躍した笛美さんなど、拡散力のある方が広げてくれています。今回の選挙では、私のことを「広げたい」という多くの人がSNSでさまざまに発信していただいたのが印象的です。

届く言葉を意識して

 ―学生の中で共産党はどう思われているのでしょう。

 安達 僕の周りだとジェンダー、学費、賃上げの関心が高かった。政策というより、自民がダメだから批判勢力として共産党という人もいました。若い世代はあまり共産党への先入観はない。ただ、党の政策に共感している人の中にも、共産党がめざす将来像などでの疑問・不安はあるみたいです。街頭で若い人の疑問に共産党の人が答える企画をやったら面白いと思います。

 ―山添氏は6年間で多分野にわたる260回の国会質問。どこに重点を置いて押し出すか、苦労もあったのでは?

 坂井 そう。山添さんは実績が膨大で…。でも、どの質問でも憲法の視点を貫いているので、そこは大事な押し出しポイントでした。ロシアによる侵略、コロナ禍での生活苦という中で憲法の役割を訴え、それが選挙戦で輝きました。街頭でデジタルビジョンに国会質問を映し、トークする企画にも取り組みました。現場に駆け付けるフットワークも山添さんの魅力。駅のホームドア調査を何回もやって、巻き尺でホームを測っている写真がツイッターでバズり(大反響)ました。

 ―山添さん、街頭の訴えの工夫は?

 山添 東京は働く世代、現役世代が特に多い。そこにどう届けるかを意識し、宣伝場所も相談しました。最賃1500円はパート、アルバイトだけの問題ではなく、労働者全体の賃金底上げにつながることを強調しました。奨学金は学生だけの問題でなく、返済を抱えた社会人や子育て世代など広い問題だという視点での訴えも手ごたえを感じました。戦争する国づくりの動きに対して、軍事的対応一辺倒でいいのかと正面から訴え、これにも共感を寄せる若い世代が思った以上に多かったと感じています。

 ―最後に2期目の抱負を。

 山添 やはり憲法です。大軍拡と両輪での改憲推進という今までにない危険な動きがあります。一方で憲法9条は多くの人に相当浸透している。そこに依拠して事実と道理に基づく論戦で改憲を阻止し、憲法を生かせばもっと世の中が良くなり、人生を豊かにできるという展望を、届く言葉で広げていきたい。


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