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2022年7月29日(金)

理研雇い止め通告撤回を

無期転換逃れ 研究壊すもの 研究リーダーが提訴

さいたま地裁

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(写真)会見する(左から)水口洋介弁護士と理研労の金井委員長=28日、厚労省内

 理化学研究所(本部・埼玉県和光市)が無期雇用転換逃れのために研究系職員の来年3月での大量雇い止めを計画している問題で、研究チームリーダーの男性(62)が雇い止め通告の撤回と研究妨害への損害賠償を求め、さいたま地裁に提訴しました(27日付)。28日、理化学研究所労働組合(理研労)と原告男性が厚生労働省内で会見しました。

 男性は、大学特任教授などを歴任し、2011年4月から理研で1年更新の有期労働契約を結び、関西の研究チームのリーダーをつとめています。当初、契約期間の上限はありませんでした。

 理研は16年4月に研究系職員を10年上限で雇い止めにすると就業規則を不利益変更。理研労は、来年3月に直接対象が約300人、研究チーム丸ごと解散で600人が雇い止めになるとして、撤回を求めていました。

 原告側は、理研の10年雇い止めは無期転換逃れの脱法手段であり、合理的理由がなく無効だと主張。男性の研究チームは業績が評価されて、25年3月までの科研費が交付されており、契約更新の期待権があると強調しています。

 すでに理研から研究設備を撤去するよう指示が出ており、研究妨害をやめるよう求めています。

 会見で男性は、「雇用が不安定では、研究が職業として成り立たず、若い人材を登用できない」と訴えました。

 理研労の金井保之委員長は、「当局は、雇用上限を撤廃するような回答をしたが、来年3月の雇い止めをやめようとしない。研究者の使い捨てでは、日本で研究の芽は育たない」と強調しました。


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