2022年7月29日(金)
きょうの潮流
「今年は、ママいがい家族全員コロナになってしまったのでびんぼうなのに、お金がたくさん必要になってしまいました。ママが今、三つお仕事してるけどお金がまだ足りないみたいです」▼子どもの学習支援や食料支援、政策提言などに取り組む認定NPO法人キッズドアが、今夏も緊急食料支援を実施しています。クラウドファンディングで資金を集め、2375人に順次発送。長引く新型コロナと物価高騰の中、貴重な活動です▼支援前の緊急アンケートでは、5割が「物価高騰で生活が大変苦しくなった」と答えました。渡辺由美子理事長は、ひとり親家庭の貧困率が高い理由を三つあげています。長く続いてきた就労構造と男女の賃金格差。養育費の受取率が低い。税の再分配率が低い。こうしたしくみが「世界一のワーキングプア」を生み出しています▼保育園が休園、子どもが学校で感染、部活で濃厚接触者になど、子育て家庭は仕事に行けないリスクが高くなっています。もともと非正規雇用が多いひとり親家庭の収入減に直結、悲惨な状況へと追い込まれているのです▼「息子たちに『白いご飯が食べたい』と言われつつ、麺やパンやお好み焼きで主食も安くすませるために我慢させています」。過去に食料支援を受けた人たちからのメッセージの一節です。ところが、頼みの綱の小麦粉も穀物価格の高騰で値上がりに▼10万円の給付金をまだもらっていない、との回答も1割弱から。「自助」ではない、優しい政治は待ったなしです。








