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2022年7月28日(木)

大激戦・沖縄県知事選

自民 「新戦略」で浮上狙う

「オール沖縄」分断図る下地氏

 本土復帰50年を迎えた沖縄の未来を左右する県知事選(8月25日告示、9月11日投票)。前哨戦の参院選で「オール沖縄」の伊波洋一氏が再選を果たし、玉城デニー知事再選、「オール沖縄」県政3期目への展望が切り開かれましたが、自民の新人候補が2888票差まで迫ったことで、県知事選も自民候補との大接戦・大激戦になることは確実です。政府・自民党は戦略の練り直しに着手。立候補表明した下地幹郎前衆院議員の動きも軽視できません。


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(写真)出馬表明の記者会見で訴えるデニー知事=6月11日、那覇市

 「残念だったのは沖縄だ」。自民党の茂木敏充幹事長は25日、都内の講演で、参院選総括に触れる中、沖縄での敗戦を特別に強調しました。過去2回の参院選では大差で敗北したものの、新人候補が「今回、2888票差まで追い込んだ」と強調。その上で、敗因について、(1)候補者のルーツである宮古島市の投票率が低かった(全県50・57%に対して40・96%)(2)参政党が約2万2千票を獲得し、保守票を奪われた―ことをあげ、こうした要因がなければ「間違いなく勝っていた」と強調しました。

辺野古どうする

 茂木氏は22日に沖縄入りし、「知事選に向けた戦略の練り直しを行っている」ことを明らかにしました。講演後、同氏は首相官邸で知事選対応をめぐり岸田文雄首相と意見を交わしています。

 「新戦略」の内容は定かではありませんが、参院選で僅差に迫ったことを踏まえ、参政党やN党に投票した保守、「反オール沖縄」層の獲得を念頭に置いているとみられます。

 こうした層を獲得する上で注目されるのが選挙公約です。自民党は今年に入り、名護・南城・石垣・沖縄各市長選で連勝してきましたが、いずれも、県民の6割~7割が反対する名護市辺野古の米軍新基地建設の是非が争点になっていませんでした。しかし、参院選では自民候補が「辺野古推進」を公約に掲げたことで、最大争点に浮上。結果的に沖縄で伊波氏が上回り、名護も僅差となりました。

 政府・自民は辺野古で正面突破を図るのか、あるいは争点外しに戻るのかが注目されます。

狙いは票の分散

 保守系の下地幹郎氏が県知事選に立候補表明したことで、「保守層が割れ、オール沖縄は有利になる」との見方も出ています。しかし、下地氏の政策をみれば、狙いは「オール沖縄」票の分散にあることは明らかです。

 下地氏は26日、オンラインで行った政策説明で「辺野古の軟弱地盤を埋め立てないというのは、私とデニーさんは全く同じだ」と強調し、「辺野古反対派」であるかのように装いました。その上で「翁長さん、デニーさんは辺野古に一粒の砂も入れないと言いながら半分埋め立てられた」と攻撃し、普天間基地(宜野湾市)の訓練を辺野古ではなく馬毛島(鹿児島県西之表市)に移転するよう求めました。

 一方、下地氏は普天間基地の返還ではなく「軍民共用化」を主張。さらに、辺野古の既に埋め立てが進んでいる区域は「活用する」としています。普天間固定化と、民意に反した辺野古埋め立ての現状追認、さらに馬毛島まで米軍に差し出すという最悪の政策です。


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