2022年7月27日(水)
やまゆり園事件6年
風化させない 検証を
住民がしのぶ会
相模原
![]() (写真)しのぶ会で意見交換する参加者の人たち=26日、相模原市 |
「忘れない、風化させない、後世に伝える」―。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で障害者19人が殺害された事件から6年目の26日、同市内で犠牲者をしのぶ会が開かれました。主催は、同施設周辺住民でつくる「共に生きる社会を考える会」。
共同代表の太田顕さんは「障害者を疎外する心ではないか、障害者の福祉を増進する力になる心になっているか。私たち一人ひとりにある心を振り返り、意見交換の場で率直に話してもらいたい」とあいさつしました。
精神障害者を取り巻く環境を追ったドキュメンタリー映画「不安の正体 精神障害者グループホームと地域」の上映や犠牲者をしのぶ歌「やまゆり咲く里」が披露されました。
障害者施設で約14年働いていたという女性(66)=相模原市=は、障害者と関わる機会が少ないことで偏見を生むと指摘します。
「言論や行動には理由や背景がある。障害者に関わる中で、そのことをいつも考えていた。精神障害者のグループホーム建設に、(映画が取り上げた)反対運動があったことに衝撃を受けた」と強調。「知らないことへの偏見から、障害者は非常に怖いものだと思ってしまう。偏見が『不安の正体』だなと思った。障害者が地域に出ることは、障害者や周りの人たちのためにも大事だ」と語りました。
東京都杉並区から参加した男性(17)は事件の風化を危惧し、事件の検証の必要性を訴えます。「死刑囚がなんでこんなことをしたのか掘り下げないと、同じことが繰り返されるのではないか」と話しました。
やまゆり園事件 事件は16年7月26日未明に発生。元職員の植松聖死刑囚(32)が同園に侵入し、入所者19人を殺害、職員を含む26人に重軽傷を負わせました。植松死刑囚は20年3月に刑が確定しましたが、今年4月、横浜地裁に再審請求しました。









