2022年7月26日(火)
核開発で米先住民差別
原水爆禁止・科学者集会スタート
原水爆禁止2022年世界大会・科学者集会(オンライン開催)が24日、スタートしました。今年のメインテーマは「『安全保障』と差別」。核開発や安全保障体制が差別構造のうえに維持されていることなどを議論し、平和運動のあり方を探ります。初日は、米国の核開発の裏に隠された先住民族の犠牲の実態が報告されました。主催は実行委員会(事務局・日本科学者会議長野支部)。
「アメリカ核開発と先住民族―『犠牲区域』からの報告」と題して講演したのは、石山徳子(のりこ)明治大学教授です。原爆の開発・製造を進めたマンハッタン計画の舞台や核実験場、核廃棄物の処分場計画などが、先住民族の集落の近くに集中している実態を報告しました。
石山さんは「国家安全保障のためには、やむを得ない」という理屈がまかり通っていると指摘。しかし現地に行くと「生活や歴史があることを痛感する」と述べ、居住地の近くが世界最大級の核汚染地帯にされて生活や存在が脅かされる理不尽を告発しました。
その背景には、セトラー・コロニアリズム(定住型植民地主義)があり、米社会では先住民族がまるで滅びてしまったかのように不可視化されている問題があると強調。土地と強く結びついて暮らす先住民族と、ともに生き延びていく視点の大切さを訴えました。
2日目は31日に開かれ、和田賢治・武蔵野学院大学准教授が「ジェンダー化する安全保障」と題し、戦争ができる国づくりの背景にある“男らしさ”や女性への暴力などについて講演します。








