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2022年7月24日(日)

アマゾン 米診療サービス買収

独占・個人情報収集強化に懸念も

 【ワシントン=島田峰隆】米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムは21日、米国でサブスクリプション(継続課金)型の診療サービスを提供するワン・メディカルを買収すると発表しました。巨大IT(情報技術)企業が独占的な地位をさらに強め、健康面での個人情報を収集・利用する危険があると懸念の声が出ています。

 買収額は総額約39億ドル(約5310億円)です。ワン・メディカルは対面やオンラインで医師の診療を受けられるサービスを提供しています。米メディアによると、現在188の診療所と提携し、会員数は約77万人います。

 アマゾンの問題点を追及してきたクロブシャー上院議員は21日、不当競争や市場独占などを防止する連邦取引委員会(FTC)に宛てた書簡で、アマゾンが自社の製品・サービスを競合品より有利に扱うようにしてきたことなどを指摘。買収について「徹底した調査」を要求しました。

 同議員は「健康に関する極めて慎重に扱うべき情報をデータ集約型の企業の手中に蓄積することになる」と懸念を示しました。

 サンダース上院議員は同日、ツイッターで「司法省はアマゾンによる買収を拒否せねばならない」と指摘しました。「医療システムの役割はすべての人々に質の良いケアを提供することにある。(アマゾンの)億万長者をより豊かにすることではない」と述べました。

 巨大企業の独占の規制を求める団体「米経済自由プロジェクト」のクリスタ・ブラウン上級政策研究員は同日、「アマゾンに70万人以上の健康データを管理させるのは恐ろしいことだ」と強調。ワン・メディカルの買収は医療分野での競争を弱めるとし、政府の規制当局に買収阻止を呼び掛けました。

 アマゾンは2018年にオンライン薬局大手の米ピルパックを買収し、20年にはオンライン薬局を自前で立ち上げています。


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