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2022年7月21日(木)

哺乳類絶滅「最悪の大陸」

豪政府が環境報告書

「気候変動 野心的目標の法制化重要」

 オーストラリア政府は19日、「環境状況報告書」2021年版を発表しました。報告書は、同国が他のどの大陸よりも多くの在来哺乳類が絶滅し、絶滅に向かう種の割合も多いことなどを指摘。気候変動や汚染、資源採掘の影響で、環境状況の悪化に歯止めがかからないことに警鐘を鳴らしています。

 報告書は、国内の陸地の平均気温が、20世紀初頭から1・4度上昇したことなどを紹介。熱波、干ばつ、豪雨や大洪水、山火事の頻度・強度が増し、多くの動植物やその生息地の喪失につながっていると述べています。

 同国が20年に、世界の温室効果ガス排出量の1・2%を占め、排出量の上位15カ国以内に入り、国民1人当たりの排出量は世界1位だったことに言及。排出量削減が事態の好転につながると訴えています。

 報告書は5年ごとにまとめられ、昨年発表されるはずでしたが、保守連合による前政権が今年5月の総選挙後に延期していました。

 総選挙では労働党が勝利し、9年ぶりの政権交代でアルバニージー政権が発足。プリバセク環境相は19日、公共放送ABCのインタビューで、「(前の)政府・環境相は公表したくなかった。読んでその理由がわかった。報告書は衝撃的だ」と述べました。

 プリバセク氏は「法律やシステムを変えて守らなければ環境の衰退は続く」とし、オーストラリアが「哺乳類絶滅のための最悪の大陸」になっていると強調しました。

 すぐに取り掛かれることとして「気候変動に取り組む世界的な努力の一部になること」だと訴え、アルバニージー政権が今後、前政権よりも野心的でより高い目標を法制化することが、「非常に重要だ」と語りました。

 アルバニージー政権は6月16日、30年までに温室効果ガス排出量を05年比で43%削減する方針を発表。前政権下で26~28%だった目標を引き上げました。

 43%では不十分だとの声が無所属議員などから上がっています。プリバセク氏は、無所属議員らが気候変動対策で支持を得て選ばれた事実を「私はとても大事にしている」と発言。「まさに気候変動に対して取り組むために、無所属議員らと協力したい」と答えました。


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