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2022年7月20日(水)

「旧統一協会」の名称変更

文化庁 安倍政権下で方針転換

政治圧力 可能性も

前川氏が指摘

 旧統一協会は安倍政権下の2015年に「世界基督教統一神霊協会」から、「世界平和統一家庭連合」に正式名称を変更しました。文部科学省の外局である文化庁はそれまで、名称変更を拒否していましたが申請を受理して認証しました。なぜ突然に方針が変更されたのか―。(統一協会取材班)


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(写真)旧統一協会(世界平和統一家庭連合)の本部=東京都渋谷区

 「私が文化庁宗務課長だったときに統一協会が名称変更を求めてきたが拒否した」。前川喜平・元文部科学事務次官はそう証言します。

 前川氏は1997~98年の1年間、宗教法人制度の運用を担当する文化庁宗務課の課長でした。「教義など団体の実体に変化がないと名前は変えられないと伝えた。役人は前例を重んじる。その後も同様の理由で断ってきたはずだ」と前川氏は言います。

 ところが宗務課は15年8月26日に認証します。なぜか―。

「文化部長決裁」

 宗務課に確認すると、「書類が整ったので変更を認証した。以前、断った経過は当時を知る職員がいないので分からない」との回答でした。認証変更を決裁したのは文化部長だといいます。

 前川氏は「行政は継続性、安定性が大事。部長レベルでは方針変更を決定できない。しかも旧統一協会と自民党の関係はみんな知っているからより慎重になる。政治的圧力があった可能性が高いと思う」と指摘します。

文科相は下村氏

 当時の文科相は自民党の下村博文衆院議員です。下村氏は文科相当時、旧統一協会系の「世界日報」のインタビューに複数回登場しています。下村氏は自身のツイッターで文化庁に確認したところ、「大臣に伺いを立てることはしていない。今回の事例も最終決裁は、当時の文化部長」などとする回答があった、としています。


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