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2022年7月20日(水)

マイナカード普及へ圧力 総務省方針

交付率低い自治体は地方交付税算定に差

 総務省がマイナンバーカードの普及に向け、交付事務を担う市区町村への圧力を強めています。交付率が平均を下回るなどしている自治体を「重点的フォローアップ対象団体」に選出。7月は963団体を指定し、都道府県知事や副知事らを通じて市区町村長らに普及促進の取り組みを求めています。

 マイナンバーは税・保険料などの徴収強化や給付抑制を狙って導入されたものです。

 マイナンバーカードの取得は任意であるにもかかわらず、政府は今年度末までにほぼ全ての国民にカードを取得させる目標を掲げています。ただ、14日時点の交付枚数は5766万6371枚と、交付率は約45・5%にとどまっています。

 焦る総務省は重点フォローアップ団体を設けたほか、全国順位を載せた自治体交付率一覧表の提供も5月分から開始しました。交付率が85・2%の1位の自治体から2割に満たない1741位(最下位)の自治体までの差をさらすような表となっています。

 さらに6月には、金子恭之総務相が、自治体ごとのマイナンバーカードの交付率に応じて、来年度から、国が自治体に配る地方交付税の算定に差をつける方針を明らかにしています。

 地方交付税は、すべての自治体が一定の行政サービスを行う財源を保障するために、国が自治体に代わって徴収し、人口や面積などに基づく算定と交付で、財源の不均衡を調整するものです。自治体からは、カードの普及とからめるのは「筋違いだ」との批判の声が上がっています。

 総務相の発言に自治労連は石川敏明書記長名の抗議談話を発表。地方交付税は格差是正や所得再分配を実行する貴重な財源の一つであり、総務省が今なすべきはマイナンバーカードの交付率の自治体間競争をあおることではなく、憲法に定められた住民の生存権と基本的人権を保障するための財政の保障だと強調しています。


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