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2022年7月20日(水)

きょうの潮流

 時の長さが、危機の深刻さを表しています。「1000年に1度の雨」。日本はいま洪水ハザードマップの改修を進めています。これまでは最大でも「200年に1度の雨」だった想定を切り替えて▼歴史を1000年さかのぼれば、武家政治よりも前の平安時代に。その間の移り変わりを思えば、切迫する事態の重さもまた実感できるか。1000年に1回しか起きない雨ではなく、いまやどこでも起こる可能性があることも▼猛烈な雨にみまわれている列島。河川の氾濫や浸水、土砂崩れ。周りの状況を確認しながら、危険がさしせまる前に安全を確保するよう呼びかけられています。新たなハザードマップでは浸水リスクの高い地域で人口が増えていると警戒を促します▼一方で本紙特派員が伝えるように、欧州をはじめ世界各地を異常高温や熱波、山火事や干ばつが襲っています。連日の40度超えや大規模な森林火災、穀物への被害…。まさに命が危険にさらされています▼気候変動に伴う異常気象によって、過去20年間に受けた損害は年平均で少なくとも66億ユーロ(約9300億円)に上る。ドイツではこんな試算が示されました。数量化できない問題もあり、実際の損害はもっと大きいと▼山火事が相次ぐスペインではサンチェス首相が「気候変動が人の生命を脅かすことは明らかだ」として「われわれの社会の最も貴重な財産が影響を受けている」と訴えました。時を重ね築いてきた人類の営み。その先は私たちの手の中にあります。


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