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2022年7月17日(日)

主張

男女平等 日本116位

立ち遅れの打開は政治の責任

 世界経済フォーラム(本部・スイス)が13日、各国の男女平等の達成度を指数で示した「ジェンダーギャップ報告書」2022年版を発表しました。日本の平等達成率は65・0%で、21年の65・6%から後退しました。順位は調査対象146カ国中116位と低位で、主要7カ国の中での最下位が続いています。

経済と政治で大きな差

 ジェンダーギャップ報告書は、国ごとの男女格差の状況を、経済・政治・教育・健康の4分野で分析・指数化し、平等の達成率を順位づけしています。日本は、経済と政治の分野での格差が大きく、順位を引き下げてきました。

 調査が始まった06年、日本は79位(達成率64・5%)で、フランス70位(65・2%)とあまり変わらず、韓国92位(61・6%)より上位でした。しかし、22年はフランスの15位(79・1%)から大きく引き離され、韓国99位(68・9%)にも、20年の調査以降、順位で追い抜かれています。

 男女賃金格差の是正や、国会など意思決定の場に女性を増やすことなど、各国がジェンダーギャップの解消のためにさまざまな手だてをとってきた中、日本の政治が真剣に取り組んでこなかったことが、こうした状況を招きました。

 今回、日本で低迷が著しいのは121位の経済分野です。達成率は21年の60・4%から56・4%に下落しました。コロナ禍で相次いだ休業、倒産、解雇の影響の多くが女性にのしかかったためです。労働参加の達成率は84%から75%に、同一労働における賃金格差は65・1%から64・2%へと低下しました。

 政治分野は139位と際立った遅れです。衆院議員に占める女性の割合が昨年の総選挙で9・7%にとどまり、閣僚は20人中で女性3人という少なさです。

 日本共産党は昨年の総選挙や先の参院選で、ジェンダー平等をあらゆる分野で貫く政治への転換を公約の柱に掲げました。国会では、国民運動と結びジェンダー問題を粘り強く取り上げてきました。

 男女賃金格差では、政府が長く拒んできた「男女別賃金の実態把握・公表の企業への義務付け」を実現し、重要な一歩を勝ち取りました。公表制度を力に、年収で239万円、生涯賃金に換算すると約1億円にのぼる賃金格差を早期に解消させることが必要です。

 女性が多く働く介護や保育などケア労働分野の賃上げ、非正規雇用の正規化、中小企業支援と一体に最低賃金を全国どこでも時給1500円に引き上げることなど、実効力ある取り組みを進めることが求められます。それは経済の健全な発展の道でもあります。

妨害をはね返して前進を

 女性議員を増やす機運も高まっています。参院選で女性の当選は35人と過去最多となりました。国政選挙の候補者を男女同数に近づける各党の努力が不可欠です。とくに与党の真剣さが問われます。

 選択的夫婦別姓の実現や性暴力の根絶など、ジェンダー平等を求める国民の声は広がり続けています。一方、明治憲法下での家族観・女性観を今に引き継ぐ政治勢力が自民党政権の中枢にすわり、足を引っ張っていることは見過ごせません。力を合わせて妨害をはね返し、ジェンダー平等の日本を実現していきましょう。


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