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2022年7月16日(土)

3年ぶり 広島・長崎で2022年世界大会

日本原水協 安井事務局長に聞く

核の危機打開し未来開く

 原水爆禁止2022年世界大会が8月4~9日まで広島と長崎の現地を中心に開かれます。今年の世界大会の特徴や魅力について、世界大会実行委員会事務局団体の原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の安井正和事務局長に聞きました。


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 今年は、3年ぶりに広島、長崎の現地を中心に開かれます。広島はコロナ対策を万全に、約1万人が収容できる県立体育館・グリーンアリーナを確保しています。

 いま世界は、核大国による国連憲章違反の戦争と核兵器使用の重大な危機に直面しています。この現状を打開し、「核兵器のない平和で公正な世界」を切り開く大会として成功させることが強く求められます。

被爆地から世界へ発信

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(写真)海外代表や参加者が舞台に上がり、全員合唱でフィナーレを飾った世界大会ナガサキデー集会=2019年8月9日、長崎市

 最大の特徴は、被爆地から強力なメッセージを発信することです。

 一つは、国際紛争での武力行使と威嚇、とりわけ核兵器使用と威嚇を絶対に許さないというメッセージです。

 日本原水協はウィーンで開かれた核兵器禁止条約第1回締約国会議に、核兵器の使用・威嚇を許さないメッセージを発信するよう提案し、「ウィーン宣言」に反映されました。被爆地から諸国政府と市民社会が一致した声を世界に発信します。

 もう一つは、8月1日から米ニューヨークで開かれる第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議へのメッセージです。

 ウクライナ侵略でのロシアの核威嚇は、核兵器が「戦争を抑止する」、「安全を保証する」という核保有国や核依存国政府の議論に根拠がなく、力対力、核対核の対立を推し進め、人類破滅の危機の元凶であることをはっきりと示しました。

 核保有国に対して、核軍拡競争の停止と核軍備撤廃交渉を定めたNPT第6条や、「核兵器のない世界」の実現を確認したこれまでの合意の速やかな実行を強く求めます。

 日本原水協はこれまでNPT再検討会議に国民的規模の署名と代表派遣を行ってきました。今回はコロナの関係でニューヨーク結集はできませんが、重要度は変わりません。全参加者の総意でメッセージを発信します。

核兵器の非人道性を告発

 三つ目は、核兵器禁止条約が発効し、NPTが核保有国の特権的条約から「核兵器のない世界」を求める世界的結集の場に変わろうとしているいま、被爆者とともに被爆地で開かれる大会として、核兵器の残虐性、非人道性を告発し、世界に発信することです。

 核兵器の非人道的実態を被爆地で学び、被爆者とともに世界に発信します。6日ヒロシマデー、9日ナガサキデーには特別プログラムを準備しています。

締約国会議の議長らが参加

 大会には、核兵器禁止条約締約国会議、NPT再検討会議で重要な役割を果たしている諸国政府の代表が参加します。国連は中満泉軍縮担当上級代表を招請しています。

 4日の開会総会には第1回締約国会議議長のアレクサンダー・クメント大使が、9日のナガサキデー集会には第2回締約国会議議長国のメキシコから、メルバ・プリーア駐日大使が参加します。6日のヒロシマデー集会にはNPT再検討会議で第1委員会議長を務めるマレーシアのサイード・モハマド・ハスリン国連大使の出席が予定されています。世界大会でなければありえない重要な機会となります。

 世界の平和運動からは注目のウクライナとロシアの代表が発言します。北大西洋条約機構(NATO)加盟の「核共有」国でありながら政府を禁止条約締約国会議にオブザーバー参加させたベルギーの代表が発言します。

 国内からは広島、長崎市長のメッセージ、日本被団協の代表、エコノミストの浜矩子さん(6日)と政治経済アナリストの古賀茂明さん(9日)らがゲスト参加します。核兵器禁止条約に参加する日本をめざし、国会議員のみなさんの参加企画も準備しています。

活動の成果持ち寄ろう

 世界大会の主人公は全国から参加するみなさんです。ウクライナ危機に便乗した「核の傘」依存の強化、「核共有」論、軍事費倍増、憲法9条改憲など危険な動きとのたたかいをはじめ、平和大行進や政府に禁止条約参加を求める署名・自治体意見書の運動など、全国から活動の成果を大会に持ち寄りましょう。

 コロナ感染防止に留意しつつ、あらゆる可能性と条件をくみつくして広島2000人以上、長崎500人以上の現地参加、オンライン参加も1万人以上で成功させましょう。若い世代の参加を励まし特別な援助を強めましょう。

原水爆禁止2022年世界大会の主な日程

 ●開会総会

  8月4日(木)午後1時~2時、広島県立総合体育館・グリーンアリーナ(オンライン配信あり)

 ●国際会議

  4日(木)午後2時~4時半、5日(金)午前10時~午後0時半、広島県立総合体育館・グリーンアリーナ(オンライン配信あり)

 ●テーマ別集会、碑めぐり・遺跡めぐり

  5日(金)(オンライン配信なし)

 ●ヒロシマデー集会

  6日(土)午前10時半~午後1時、広島県立総合体育館・グリーンアリーナ(オンライン配信あり)

 ●ナガサキデー集会

  9日(火)午前10時半~午後1時、長崎市民会館・文化ホール(オンライン配信あり)

 参加問い合わせ先

 原水爆禁止世界大会実行委員会☎03(5842)6035


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