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2022年7月15日(金)

人生壊した旧統一協会

元信者の女性が被害の実態証言

本人の意思と違う献金 「天国に行けぬ」と脅し

 安倍晋三元首相が銃撃された事件の山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=は、母親が旧統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者で「多額の寄付をして破産させられた」との供述内容が報じられています。全国霊感商法対策弁護士連絡会の会見(12日)には、母親が今も旧統一協会に入信しているという40代の女性Aさんが出席。信者やその家族の苦しみを語りました。(統一協会取材班)


 Aさんは、自身が子どもの頃に母親が入信して「家庭内のこと全てが統一協会の教えに変わり、母は3姉妹の私たちにも教えを強要するようになった」と証言しました。

「合同結婚式」に

 母親の影響で、Aさんも10代で入信。統一協会の教義をみせる「ビデオセンター」に通い「洗脳された」と明かしました。

 Aさんは21歳のときに信者同士の「合同結婚式」に参加。統一協会の開祖・文鮮明が選んだとされる韓国人の男性と結婚しました。事前に「どんな相手であっても断ってはいけない」と誓わされたといいます。

 日本で同居するようになってから相手の男性が「気に入らないことがあると殴る人」だと分かりました。男性との間に娘が生まれてからも家庭内暴力は続きました。

 Aさんは離婚を考えますが、神を中心とした家庭を築くためなどと統一協会が称する「祝福結婚」を壊すことになるとして、周囲に強く反対されました。それでも「暴力に耐えられなくなり、離婚を申し出た」といいます。

 Aさんは娘を連れて韓国に渡航し、統一協会の「再祝福」を受けて再婚しました。その際には140万円の献金を要求されたといいます。その後、相手の男性が抱えていた問題で「自己破産させられた」と語りました。

一家離散になる

 Aさんは、旧統一協会の田中富広会長が会見(11日)で「献金は本人の意思だ」と語ったことは「事実と異なる」と指摘。実際には「『天国に行けない』などの脅し文句で信者に献金をさせている」と述べ、統一協会系の絵画展や宝石展で物品を買わされたこともあると証言しました。

 Aさんは「安倍元首相については、統一協会系の団体の集会で祝電が届いたと聞いたことがある」といい、事件に関して次のように語りました。

 「山上容疑者を擁護することは何ひとつなく、その行為は決して許されませんが、統一協会に関わってきた人たちや家族の苦しみは理解できる」

 Aさんは「(今も信者の)母から逃れるため、一家離散になった」「統一協会によって人生を破壊された」と声を落としました。


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