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2022年7月11日(月)

主張

2022年世界大会

核兵器禁止条約の流れを前へ

 アメリカが広島と長崎に原爆を投下してから今年で77年です。原水爆禁止2022年世界大会は8月、被爆地で3年ぶりに開催されます。広島市では4日に開会総会、4~5日に国際会議、6日にヒロシマデー集会が開かれ、長崎市では9日にナガサキデー集会が行われます。いずれもオンラインを併用し、全国と世界を結びます。

核使用許さない声結集し

 今年の大会は、ロシアがウクライナ侵略を続け、プーチン大統領が核で威嚇をする緊迫した情勢の下で開かれます。6月下旬にウィーンで開催された核兵器禁止条約の第1回締約国会議は「核兵器のない世界」に向けて希望ある力強いメッセージを発し、大きく成功しました。この流れを一層前進させることが重要になっています。

 北大西洋条約機構(NATO)は6月29日の首脳会議で、今後10年の方針「新戦略概念」を発表しました。ロシアに対抗して「核抑止力」を維持、強化していく中身です。日本の首相として初めて同首脳会議に出席した岸田文雄首相は、軍事費の相当の増額と日米軍事同盟強化を表明し、アメリカの「核の傘」への依存を深めようとしています。しかし、締約国会議が一致して拒否したように、「核抑止力」は、人類を破滅のふちに追い込む危険極まりない道です。

 「ヒロシマ・ナガサキ」以来、核兵器を実戦で使わせてこなかった最大の力は、被爆者を先頭にした世界の反核世論です。今年の世界大会が、「絶対悪の兵器」である核兵器の使用も、その威嚇も許さない強いメッセージを世界に発することが求められます。

 世界大会には、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの運動団体代表が、久しぶりに対面で参加します。大会成功への意気込みと決意が感じられます。ウクライナとロシアの平和活動家もオンラインで発言する予定です。世界の反戦反核運動が、一堂に結集する大会として注目されます。

 世界大会と同じ時期に、ニューヨークの国連本部では核不拡散条約(NPT)再検討会議(8月1~26日)が開かれます。

 米ロ英仏中の核五大国は1月、NPT再検討会議を前に、「核戦争はたたかってはならない」との共同声明を発表しました。しかし、ウクライナに侵略したロシアをはじめとする核大国の言動に、世界は不信と批判を高めています。

 核兵器保有国は、核軍備の縮小撤廃交渉を義務付けたNPT第6条や、「核兵器のない世界」の実現を確認したこれまでの再検討会議の合意を直ちに実行しなければなりません。

被爆国での運動の前進を

 世界大会実行委員会は、国連代表とともに、締約国会議やNPT再検討会議で中心となっている政府代表らも招待しています。

 再検討会議に出席し、世界大会にもオンラインでの参加を検討している政府代表もいます。NPT再検討会議に強いメッセージを送る世界大会として成功することが強く期待されます。

 締約国会議に出席した政府代表は、日本からの代表団に、被爆者をはじめとする活動への評価と期待が語られました。日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める世論を広げることと合わせ、世界の運動を発展させる取り組みを進める大会にしていきましょう。


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