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2022年7月7日(木)

物価高のなか岸田内閣

機密費367万円×179日 政権誕生半年で

年度末に駆け込み支出も

 物価高騰や年金引き下げで庶民が苦しむなか、岸田文雄内閣が内閣官房機密費(報償費)のうち領収書不要のつかみ金をわずか半年で6億5700万円も使っていることが6日、本紙が情報公開請求で入手した資料で判明しました。(矢野昌弘)


写真

(写真)岸田文雄内閣が支出した官房機密費の1類型「政策推進費」の受払簿。2月に金庫に入れた1億1580万円が月内に使い尽くされ(左)、3月1日に補充した1億8930万円が年度末にはなくなっていました

 岸田文雄内閣は昨年10月4日に発足しました。年度末の今年3月31日までに、官房機密費6億7000万円余を使っていました。

 官房機密費の3類型ある支出のうち、使途を松野博一官房長官しか知らず、最も闇ガネの要素が強い「政策推進費」は6億5730万円となっていました。

自身に向け支出

 松野官房長官は、前任の加藤勝信前官房長官が政策推進費用の金庫に残した8000万円を自身の手元に移したのを皮切りに、毎月9000万円前後を自らに支出しています。

 年度末が近づいた2月には1億1580万円、3月には1億8930万円を自身に向けて支出しています。

 岸田内閣の発足から3月末までの在任日数は179日。1日あたり367万円の“つかみ金”を松野氏が使った計算です。

 菅義偉元官房長官が1日あたり307万円、加藤前官房長官が同313万円だったことと比べても、松野氏が非常に速いペースで使ったことが分かります。

歴代内閣と同じ

 岸田内閣は菅内閣分と併せて、官房機密費の年間予算約12億3000万円をほぼ使い切っていました。年度末が近づくと、未使用の官房機密費を官房長官が政策推進費として自らに支出する手法は、安倍晋三内閣、菅内閣と同じです。

 全国の最低賃金の加重平均額は時給930円。1日8時間、年間300日働いても240万円を切ります。松野氏に渡る1日あたりの政策推進費367万円の3分の2にもなりません。

 「機密」を隠れみのにして、既得権益のように12億円の税金をフリーハンドで使う自公政権。参院選では、税の重み、使い道が鋭く問われています。


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