2022年7月5日(火)
シリーズ語ろう!スポーツ政策
気候変動
競技条件 大きく左右
酷暑、豪雨、雪不足―。気候変動の影響はスポーツをする条件を大きく左右します。
今年1月、カナダのウォータールー大学を中心とした研究チームがある研究結果を発表しました。
人工雪に頼る
それは、現在の水準で温室効果ガスの排出が続いた場合、冬季五輪を開催した21都市で今世紀末に競技できるのは、1カ所のみになるというものです。選手やコーチへの調査では、89%が競技に与える影響を実感し、94%が競技の将来的な発展を危惧していました。
実際、北京五輪は降雪のほとんどない地域で行われ、天然の雪に比べ雪面が硬くなる人工雪に頼ることとなりました。競技の安全面や人工雪の製造に伴う環境負荷が問題視されました。日本では雪不足により閉鎖するスキー場も増えています。
国際スキー連盟は1994年以来「マイナウ宣言」を策定。「冬のスポーツは他のスポーツより気候変動による影響を目に見えて受ける」として、2030年までに組織運営やイベントに伴う温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることなどに取り組むとしています。
酷暑による影響もあります。2019年から20年にかけてオーストラリアは大規模な森林火災に見舞われました。温暖化による植物の乾燥や、熱波と強風が大きな要因と指摘されます。20年1月の全豪オープンテニスは、火災による煙が影響し予選が一時中断。体調不良を訴える選手もいました。
テニス界が気候変動の影響に直面する中、ロジャー・フェデラー選手が「気候変動の影響と脅威を深刻に受け止めている」と話すなど、スポーツに与える影響を直視する選手も増えています。
持続可能性を
日本共産党は「スポーツ界にとってもCO2の大幅削減は切実な課題です」と言及。「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」の実施を進め、スポーツ活動の前提となる豊かな自然環境の持続可能性を追求します。