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2022年7月5日(火)

主張

教員不足の深刻化

軍拡やめて教育予算を増やせ

 教員不足が深刻です。文部科学省は昨年4月時点で「2558人不足」との調査結果をまとめましたが、今年は多くの地域で「これだけ足りないのは初めて」という悲鳴が上がっています。教員からは「このままでは全国の学校が崩壊する」という強い危機感が表明されています。参院選で問われる課題の一つです。

子どもに大きな影響

 教員の足りない学校では、「1人の教員が2クラスの授業を同時にすすめる」「教える先生が毎時間変わるため児童が不安定になる」など、子どもたちにマイナスの影響を与えています。欠員の分、教員の負担が重くなり、教員に新たな病休者がうまれるという負の連鎖も起きています。

 教員は本来やりがいがあり、身分も安定した職業です。また、教員確保は教育行政の基本中の基本です。それなのになぜ、教員不足が止まらないのか。最大の要因は、学校での異常な働き方が改善されず放置されていることです。

 公立小中学校の教員は、国の調査で1日平均12時間近く働き、土日も出勤しています。専門職としての自主性が尊重されず「自由がほしい」という声も切実です。

 こうした働き方のため、「もう続けられない」と現職教員の早期離職が後を絶たないのです。教員免許保有者は声をかけられても二の足を踏みます。教育系の学生たちも教職以外の道を選ぶようになっています。

 教員不足の解決は、教員の働き方の改善以外にありません。とりわけ、授業数にも見合っていない教員定数を増やすことが不可欠です。

 ところが、文部科学省が4月28日の全国教育長会議で打ち出した対策は、「教員採用試験の早期化」などその場しのぎの対応に終始し、肝心の教員の働き方の改善は一言もありませんでした。

 日本共産党国会議員が6月に呼びかけた教員不足緊急アンケート(1週間で818人が回答)には、98・5%の教員が「国の対策では基本的に解決しない」と答えています。「明らかになった現場の課題を、何一つ改善しないのに、人を集めたいからと的外れの政策を提案するのはなぜですか?」(20代の中学校教員)など多くの厳しい批判が寄せられました。

 問題解決へ最も急がれるのは、政府が教員の働き方の改善へ、予算も投入し真剣な対応を行うことです。いまの事態は小手先で解決できるものではありません。日本共産党は、緊急アンケートに集まった現場の声を踏まえ、教職員定数の大幅増などの抜本的な対策と同時に、▽不要不急の業務の中止▽育児短時間勤務のための代替教員の配置▽非正規教員の正規化▽教員の奨学金返還免除制度の復活―など15項目の直ちに実行できる緊急の対策を提案しています。

参院選で声を示そう

 必要な予算を確保するためにも、自民党や日本維新の会が主張する軍事費倍増という途方もない軍拡路線を止めなければなりません。軍事費2倍化にかかる予算額は、文教科学予算の総額に匹敵します。そんなことを許せば、教員増の道は断たれてしまいます。軍拡では平和も築けません。

 参院選で、「軍拡やめて教育予算を増やせ」の声を示そうではありませんか。


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